検索窓
今日:25 hit、昨日:56 hit、合計:1,069,679 hit

45 ページ46

side貴方









男達が逃げていったのを確認すると、くるっと女の子に向き直る。






「大丈夫?」



「…ありがとうっス。
…………っ、いた…!」



「…擦ってるね。ちょっと待ってて」









鞄からハンカチを取り出すと、女の子の足にきゅっと結ぶ。





とりあえずこれで血は止められるはず。







後は…お花だ。





せっかく買った綺麗なお花が、踏みつぶされてしおれてしまっている。







私はその花を一本一本丁寧に拾うと、女の子の前まで持ってきた。







「………これ」



「……………もう無理っスよね。
晋助様の…怪我が治ったお祝いにと思って買ったんスけど…」









最悪っス……と呟いた彼女。





この花は、彼女が晋助の事を考えて一生懸命選んだもの。




つまり、彼女の気持ちがたくさんこめられている。





全く同じのをもう一つ買ったところでそれは複製でしかない。





それを彼女は分かっていたから、今こうして悔しい思いをしているのだろう。








…………。







「ねぇ、絶対に言わないって約束してくれる?」




「……?え、何をっスか?」




「……今から私がする事。内緒ね?」








人差し指を口に当ると、彼女は不思議に思いながらもこくんと頷いてくれた。





……よし、じゃあ。







私は花を一旦地面に置き、その上に手をかざした。





そして自分のオーラを手へと集中させる。







するとみるみる元の形に戻っていく花束。





数秒後、完全に戻った事を確認すると私は花束を彼女に渡した。








「はい」




「……っ、え、今何したっスか⁉」




「ふふ、秘密。これで、渡せるね」








にこっと笑うと、ありがとうっスとまたお礼を言った彼女。





「あの、私来島また子っていうっス!」



「また子ちゃん、ね。
私はA。よろしく」




「…………A…?」




「…………?どうかした?また子ちゃん」









急にピタッと動きを止めたまた子ちゃん。





その目は大きく見開かれ、私を凝視している。









「…………晋助様が…時々呟くように言ってるっス……。……Aって…」




「…………え?」




「A、晋助様と知り合いっスか…?」

46→←44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (334 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
989人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リベル・バルバロッサ(プロフ) - 銀魂大好きなのでこの様な作品を読むとワクワクが止まらなくなって、嬉しいです!! (2020年3月23日 13時) (レス) id: d0fe9efbf5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年5月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。