ここにいる【銀魂】 (ページ37)

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side土方

俺らの話を聞くと、黙ってしまった万事屋。

次に発する言葉はきっと

「その取り引きは、いつどこでやるんだよ」

………だろうな。

こんな奴でも一応は一般人。

だから教える訳にはいかなかったんだが、話してしまったもんはしょうがねぇ。

それに教えなくても自分で調べて行きそうだしな、こいつの場合。

「…明日の夕方６時、東の工業地区だ」

「……………」

「…乗り込むつもりか？」

何も言わない万事屋。

愚問だったか。

こいつの性格上、乗り込まねぇなんて選択肢はねぇな。

「万事屋、明日の夕方６時、我々も突入する。
一緒に来い」

「…………何で俺が税金泥棒なんかと…」

何てぶつくさ言ってやがるが、恐らくこいつは来る。

今までもそうだったからな。

こんな奴でも、お互いに腕は認め合ってる。

だから近藤さんも来いと言ったんだろう。

俺はそれに、珍しく反対しなかった。

今回は危険だ。

未知の爆薬を使っている。

だから一人でも多く、戦力になるやつがいる。

……と、いけねぇ。

「……………A」

「…ん？」

「お前は、来るなよ」

「……………」

まるでAは、そう言われるのが分かってたというような顔をしている。

……当たり前だ。

大事な女を、連れて行ける訳がねぇ。

俺の意見には、全員が賛成する。

彼女を大事に思っているからこそ、駄目なんだ。

一人で待ってるのは辛いって事、分かってる。

それでも、Aにもしもの事があると俺たちは自分を許せねぇ。

だから、待ってて貰うんだ。

Aは俺たちの気持ちが分かってるみたいに、うん、と頷いた。