検索窓
今日:9 hit、昨日:44 hit、合計:1,069,707 hit

24 ページ25

side沖田








翌日、俺は。




Aの元へと来ていた。





来ていたと言っても正しくは、Aの仕事先の前に待ち伏せしておいたのだが。






家知らねぇしな。







「総悟!どうしたの、そんな所で」





「…………ちょっといいですかィ」





「?」






Aを連れて俺は近くの公園へと向かった。




そしてベンチに腰を下ろすと、ふぅと一息つき、本題を切り出した。








「…………A」




「ん?」




「聞いてくれやすかィ?……………俺の姉上の事」








そう言うとAは、一瞬驚いたように目を見開いき、その後優しく微笑んで





「…………うん」





と言った。






………それから俺は、全てを話した。




女手一つで俺を育ててくれた事。



土方のヤローを姉上が想っていた事。



二人が想い合っていた事。




俺がそれを邪魔していた事。





…………今また、Aを二人が想っている事以外全部。






話し終えた俺は、彼女から何を言われるか、少し怯えていた。




自分があの時、間違ってたのは分かってる。




でも、嫌で仕方なかったんでィ。




姉上を盗られるのは。





………びくびくしながら、彼女の言葉を待った。




すると彼女から発せられた言葉は、あまりにも予想外すぎて。




思わず耳を疑った。









「…………………そっか。
じゃあ私はミツバさんに感謝しないとね」




「…………え?」




「だってミツバさんが一生懸命育ててくれたから、今こうしてすっごい優しい総悟と出会えたんだもん」






ね?と笑うA。





…………この人は何を言っている?




俺が、優しい……?





あんなに二人の幸せを邪魔したのに?







「な、に…言ってんですかィ」




「…………後悔してるんでしょ?総悟。
だったらそれは、思いやりがある証拠」




「…………」




「それに、やきもち妬いて何が悪いの?
誰だって自分の好きな物、大事な物、とられたら嫌じゃない」




「……でも、俺はっ、……姉上の幸せを奪ってしまった……!」




「…………本当にそう?」



「…………え?」




「そう言ってたの?ミツバさんは」






Aの声が、心に響く。




違う、姉上は。



一度も俺を邪険に扱ったりしなかった。




最後まで、俺が弟で良かったと言ってくれた。

25→←23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (334 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
989人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リベル・バルバロッサ(プロフ) - 銀魂大好きなのでこの様な作品を読むとワクワクが止まらなくなって、嬉しいです!! (2020年3月23日 13時) (レス) id: d0fe9efbf5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年5月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。