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side貴方





次の日の夜。




仕事を終えた私は一人、帰路についていた。




今日は小太郎は用事があるとかで早く帰って行った。





私はせっかくだから、と初めて川沿いを歩いて帰る。




月に照らされた光が水面を反射して、とても綺麗だった。






と、そんな時道沿いにかわら版が立っている事に気づく。




少しの興味が出た私は、そのかわら版を見に行った。







『この顔を見たら警察まで!』





ありがちな文章の横には片目を包帯で覆った男の人の絵が。




こんなにでっかく顔を描かれたら大変だろうな……と他人事のように思い視線を上げると、





前に笠を深く被り、おしゃれな着物を着た男の人が口元に妖しげな笑みを浮かべ、立っていた。






「……その男に興味があるのか?」






男は低く、どこか艶っぽい声で尋ねる。





「……?ううん、特には」



「………そうか。じゃあ、通報はしないな?」






そう言って彼は笠をとった。



明るみに出たその顔は、かわら版に描いてある絵とそっくりで。





絵を描いた人に感心してしまった。





「……すごい」



「?何がだ」



「本当に絵とそっくりだなって。
この絵を描いた人、プロだね」



「は?」





男の人は面を食らった顔をする。




………何か私変な事言ったかな。





首をかしげていると、今度は急に笑い出した。





「クククッ…おもしれぇ。
感心するところがズレてやがる」



「?」



「フッ…気が変わった。
お前、名前は」



「A」



「A、か。俺ァ高杉晋助」






よろしくな、と彼は言う。



そのまま何故か二人で歩き出した。






「…………晋助は何で指名手配されてるの?」



「…お前、変わってるな」



「?何で?」



「俺を怖がらねぇし、まずもって呼び捨てにする事」



「あ、ごめん嫌だった?」



「そうじゃねぇよ。珍しいっつってんだ」






俺の周りにはそんな奴、そうそういねぇからなと言う晋助。




まぁ確かに彼には近寄りがたいオーラみたいなのがあるけど、私にとったら関係ない。





「俺ァ過激派攘夷志士。鬼兵隊の頭だ」





晋助はそう告げた。



力強く、鋭い目で。

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リベル・バルバロッサ(プロフ) - 銀魂大好きなのでこの様な作品を読むとワクワクが止まらなくなって、嬉しいです!! (2020年3月23日 13時) (レス) id: d0fe9efbf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年5月5日 23時

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