ここにいる【銀魂】 (ページ12)

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side沖田

俺から酒の入ったグラスを奪ったAの腕を慌てて掴む。

「何すんでィ」

「未成年の飲酒は認められません」

「ガキ扱いしないでくだせェ」

「だーめ。酔ったらどうするの」

そう言ってAはさっさとグラスを片付けてしまった。

そして新しいグラスにオレンジジュースを入れて持ってくる。

「これで我慢ね」

「………嫌でさァ」

「我が儘言わない。ほら…少し顔赤くなってるじゃない」

「っ！」

Aは俺の頬を両手で包むと、顔を覗き込む。

心配そうなその顔は、本当に俺の体を気遣ってくれているみたいだ。

てゆーか、顔赤いのはAのせいなんですけどねィ………。

至近距離のAの顔に、更に熱が集まる。

「…っ、分かりやした。これで我慢しまさァ」

「ん、良い子良い子」

そう言ってAは俺の頭を優しく撫でる。

ガキ扱いされてる事に少し腹を立てているものの、やめて欲しくないと思っている自分もいる。

矛盾しまくりでさァ……。

「がははは！あの総悟を手なづけるとはな！」

「近藤さん言い方…。総悟はペットかよ」

「土方さんはペットですよねィ。
犬の餌食ってるんですから」

「誰がペットだコラ！」

土方スペシャルを馬鹿にすんなっ！って言ってる土方さんはほっといて、他の奴の所へ注文を取りに行ってしまったAを見やる。

あの誰でも虜にしちまうよーな笑顔をして、楽しそうに仕事をこなしているA。

隊士の奴らは鼻の下伸ばしてやがるし、土方さんも恐らく狙ってる。

他の奴に見せたくねぇ、あの笑顔を独占してぇ。

会って少ししか経ってねぇのに、こんなにもAに惚れ込んじまった。

「(…全く、やっかいな感情もっちまったもんでさァ……)」