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side貴方
「わたしのこと?神威が?」
「だから違うって言ってるだろ」
「でもあのオッサン言ってたネ、将ちゃん何の話してたアル?」
「それは…「ッバカな妹をもったら困るって話!分かったらさっさとあの犬の散歩戻れ」」
「バ神威にバカって言われたくないネ‼」
離れていた時間が長かった分、やっぱりまだ素直にはなれないのかな。
ツンとした態度をとる神威だけど、そんな彼を見る周りの目は暖かい。
私も聞こえてたよ、神威の本当の気持ち。
『どうしようもない馬鹿な妹だけど……俺はそれに救われた。あいつが妹でよかった、……かな』
神楽に聞かせてあげたかったな。
…でもその必要はなさそう。
怒りながらも嬉しさを隠せていない表情。
分かってるんだね、本心じゃないって。
心の深いところで繋がってる彼等を、目を細めて見つめる。
「あれ、真選組の方達です」
「え?あ、本当だ。こっちに向かってるね」
至急の話だったら将軍様とそよ姫ちゃんのお散歩も終わりになってしまうのでラケットを片付け私達も神威達の側に行く。
隊士の人達に気付いた近藤さんは立ち上がり、隣の阿伏兎は私達のところへ来て先程のことで神威をいじっていた。
割と本気の拳が顔の横をよぎって「次は外さないから」なんて笑顔で言われそれ以上はいじらなくなってたけど。
冷や汗すごいよ阿伏兎。
確かにあの拳を顔で受けていたらと思うと怖い。
「局長、お疲れ様です」
「おうお前達もな!どうした?…昨晩の件か?」
「はい」
____________ドクン
……今、一瞬______.....
「…A?」
「A?どうかしたアルカ?」
「っ…あ、ううん、何でもないよ」
「ごめんなさい!ずっと私に付き合って下さっていたから疲れてしまいましたよね…⁉」
「全然!私タフだから、まだまだ動ける」
「全くタフには見えないけど。ほらこんなにすっぽり収まるほど華奢なのに」
「わわわわ…‼」
「…そよ、全然隠せていないぞ」
「お前将軍の妹にいくつ変なこと教え込むつもり」
「違うネそよちゃん!離すのは中指と薬指アル‼」
「お前さんの妹だ、聞く耳持たねぇだろ」
皆が笑っている、この景色。
ねぇ、お願い。
もう少しだけ。
もう少しだけでいいから。
「Aさん」
______ああ、声色で分かる
顔を、上げたくないな______.....
.
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kon(プロフ) - 続き楽しみに待ってます 体調等に気を付けてくださいね (2021年9月11日 15時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます…!!更新が遅くなってしまい、本当に申し訳ございません…!しかもシリアス続きで甘々が少なく…重ねて申し訳ないばかりです…m(_ _)m甘々を早く書けるように頑張ります!! (2021年2月23日 21時) (レス) id: 7fb8980516 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2021年2月14日 21時) (レス) id: 15df573ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2021年2月11日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
リエ - 更新たのしみにしてます! (2021年1月19日 22時) (レス) id: 62560190e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2020年2月9日 21時