ここにいる【銀魂】第13章

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side貴方







「A‼そよちゃんーー‼」



「わっ、神楽…？」



「神楽ちゃん⁉」








河川敷でそよ姫ちゃんとバトミントンをしていると、定春のお散歩をしていた神楽が通りかかり私達目掛けて飛んできた。


なんとか二人で受け止めると神楽はそのままぎゅうっと腕に力を込めぐりぐり額をこすりつける。






「ずるいネなんでわたしも誘ってくれなかったアルー‼」



「ご、ごめんね。神威達と歩いていた時に偶然会って…」



「神威？」



「うん、ほら、将軍様の隣」








振り返った彼女はお兄ちゃんの姿を目に映すと何故か眉根を寄せた。




それはどういう表情…？


いつもなら「兄ちゃん！」って嬉しそうにするのに今日はどうしたんだろう。


喧嘩中とかかな…？




でも神威は普通で、その表情を向けられていることに首を傾げている。








「なに」



「…違和感凄すぎネ」



「は？」



「あのオッサンと一緒にいるときの方が『兄ちゃん』って感じするアル」



「何言ってんのお前」







意味分かんない



そう呟く神威に対し、ななめ後ろで彼を見守っていた阿伏兎はお腹を抱えて必死に笑いを堪えている。


私もなんとなく彼女の言いたいことが分かった。






今の神威は、『団長』でも星海坊主さんや阿伏兎といるときみたいな『子ども』の顔でもない。


さっきまで将軍様と神楽(妹)の話をしていたからかな。


『お兄ちゃん』の顔をする彼は確かにあまり見たことがないから、少し違和感を感じてしまったのかも。







「ていうか兄ちゃんと将ちゃんが何の話してるアルカ」



「別に何でもいいだろ」



「素直に言えばいいじゃねぇか団長、お前のことだって」



「っ！…阿伏兎黙れ」



「ｹﾋﾋｯ はいはい」







………阿伏兎楽しんでるなぁ。



バラされた神威は前髪を掻き、ほんの少し熱をもった頬を腕で隠した。


その姿を見て戸惑いを隠せないのはもちろん神楽で、違うと言い張る彼に詰め寄り詳細を聞き出そうとしている。







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