お嬢の狂犬

インテリ担当？ ページ14

次の日の朝、もう一度岩本に謝ると俺もごめんなさいと改めて謝られる。

なんも悪いことしてないのに、本当に酷いことしちゃったな。



阿部「で、ここのxが…」


そして今は阿部さんとの数学の時間。

1番苦手な科目でもある数学を丁寧に教えてくれる。


A「ここの公式ってこれですか？」

阿部「そう！さすが、覚えてきてますね！」


褒めて伸ばすスタイルの阿部さんはいつも褒めてくれる。私もそれが嬉しいし励みになる。

やっぱりこの人のこと疑うなんてないよ、心配は嬉しいけどいい人だもん。


阿部「そういえば明後日物理ですよね」

阿部「うちの組に物理系の大学通ってた奴がいるんですよ」


なんともインテリなヤクザたちだな、うちにも少し分けて欲しいんだけど。


阿部「専門のやつの方がわかりやすいと思うので連れてきてもいいですか？」

A「もちろん！都合が合うのであればぜひ」

阿部「では明後日は2人で来ますね！」


阿部さんのニコニコな笑顔に釣られて私も笑顔になる。


するとコンコンという音が聞こえた、きっとお茶を継ぎ足しにきてくれたんだ。


深澤「失礼します。お茶はいかがですか？」

阿部「あ、お願いしてもいいですか？」

A「私も」


暑くなってきたからね、飲み物の減りも早いんだよ。

飲み物を入れながら深澤が私たちの開いている問題集とにらめっこしていた。


A「わかる？」

深澤「わかると思います？」

A「思わない」

深澤「正解です」


やっぱりうちの組は馬鹿だった。

隣でそのやり取りをみてくすくす笑っている。


深澤「阿部さん本当頭いいんですね」

A「すごいんだよ、教え方も上手で」

阿部「いえいえそんな…」


深澤は真剣に問題を見たあとに諦めたようにお手上げポーズをした。


A「阿部さんうちに欲しいもん、誰かいないの？インテリ組員」

深澤「あーえっと、……」

A「無理しないでいいよ」


浮かばないくらいうちの組員は頭良くないってことだもんね。

でもいいんだよ、底なしの明るさがうちにはあるからさ。

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ラッキーカラー

あずきいろ

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