蒼い月の詩 (ページ9)

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9話ページ9

蒼龍と片倉が戻ってくると雷門イレブンと摺揚原イレブンがすっかり打ち解け仲良く談笑しているところだった。秋たちと話していた間宮がこちらに気付き声をかけるとそれに気付いた両チームが蒼龍たちの方を向いた。

「雷門中のジャージ似合ってるよ月都！」

「やっぱ蒼龍に似合うな！」

「蒼龍さんかっこいいです！」

「キャプテンもう雷門イレブンの一員ですね！」

『ハハッ一気にくるとビビるな』

　上から順に間宮、塔子、春奈、柴田が蒼龍に感想を言いに来る。他にも摺揚原イレブンが口々に「似合ってるな」「さすがキャプテン！」だの感想を言っている。

　『でも、そうだな』ジャージの襟の部分をつまんで『これ着ると一員だなって思うよ』とふわりと柔らかい表情を浮かべた。驚異の顔面偏差値だ。

「「ン゛ン゛」」
と春奈と塔子から野太い声が聞こえた。どこから出したのその声、と言うような訝しげな表情で夏未は手で口を覆っている春奈と塔子を見た。

「おお、なかなか様になってるな」
瞳子との詳しい話し合いを終えた虎哉が蒼龍の方を向き朗らかな表情で声をかけた。

「宇宙人退治頑張ってこいよ。怪我はまぁ多少するだろうがあまり大きい怪我はするなよ。それと…」

　先程とは打って変わり心配そうな顔をし言葉を区切った

「それを着てここに居るってことは親御さんは許可を出したんだろうが…なんか言ってたか？」

『家を出る直前に監督と似たようなことを言われました。怪我には気をつけてとか、無理しないでとか、連絡ちょうだいとか、父さんのことはまかせてとか』

「そうか、でも本当に無理はするなよ」

『はい』

　二人の真剣なやりとりに周囲は口を挟まず聞いていたがやたらと蒼龍を気にかけることに少しばかり疑問を抱いた。
　間宮と片倉が二人が話し出した辺りから心配そうな顔をしていたのを鬼道は表情を変えることなくゴーグル越し見ていた。