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8話 ページ8
2階にある蒼龍の部屋には母の言った通りインゴがカーペットに豪快に転がっていた。いつもより早く帰ってきたこの部屋の主人を見るとニャーといつものように足下にすり寄った。両手を伸ばしてヒョイとインゴを抱き上げると『ただいま〜インゴ〜』とお互いの額をくっつけた。
「久しぶりだなインゴ」
片倉が優しい顔して手を伸ばすとインゴはふんふんと匂いを嗅ぎやがて満足したのかニャウと一声鳴いて蒼龍の腕の中から飛び降りた。
「でかくなったよな」
『家に来る度に言ってるなそれ』
話しつつも準備を進めていく。着替えやタオル、充電器、財布を渡された鞄にいれていく。カメラに手を伸ばしかけハッとして手を止める。持っていくべきか迷って伸ばした手が下がった。
これは月都のものではない
「持ってけ」
その様子を見た片倉がインゴを撫でながら言った。
「なんか撮ってこいよ、そんで帰ってきたら俺たちに見せろ」
『…あぁ』
止まった手を動かしカメラを鞄に入れた。充電器も忘れずに
「それでお願いって?」
『あぁ、それなんだけどな…』
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作者名:南極 | 作成日時:2019年11月29日 20時