遥かなる未来へ～～～１ (ページ12)

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季節が移り替わったある日、午後からレギュラー番組の収録が２本続けてあった。

その１本目が終わり、ゲストを送り出した。

「いやぁ…疲れましたね？」

「でも楽しかったよね、すっごい勉強になった！」

「松潤を超えるストイックぶりだったよね～」

「…明日筋肉痛が…」

「おいっ！もっと鍛えろやっ」

「お前が言う？」

ゲストが退場した後のトークで番協さんを一盛り上げして、収録が終わった。

メンバーはその足でシークレットゲストの楽屋へ挨拶に向かった。

事前に挨拶に行けない分、収録終わりにはなるべく早く挨拶するのが礼儀だ。

コンコン
「失礼しまーす！」

「どうぞ」

「今日はありがとうございました！」

本日のゲストは、世界的ダンサーの熊井さん。

普段と違う種類のダンスの基礎を教えてもらって、メンバーは大興奮＆くたくただった。

「いやぁ、Ｊ事務所さんはさすがだね、最初からあれだけついてこれる人はなかなかいないと思いますよ？」

「とんでもない！熊井さんの身のこなしと、やっぱり僕らが普段踊らない種類のダンスなんで、もう…(汗)」

「だって何の前置きもなく僕が現れて、さらにあれだけ動かされるって、かなりひどいよ(笑)

十二分十二分！」

「ありがとうございます。」

「大野君とは、前にも言ったことあったけど、もうちょっとじっくり一緒にやりたいなぁ…」

大野は以前熊井の舞台を見に行って、多少言葉を交わしたことがあった。

「いろんな動きに対応できる身体なんだよね。

ヒップホップやってる人がジャズやバレエ踊れるかって言ったら違うでしょ？

でも大野君って、オールマイティに踊れそうな気がする。」

「…そうっすか？」

「うん。僕のカンパニーに誘いたいくらいなんだけど？」

「え？」
「いやいやいやいや」
「それはちょっと」

「(笑)熊井さん、それじゃ僕らが困りますから。」

「一応これでもリーダーなんで(笑)」

「ははは、聞いていた通りの結束力だね、冗談冗談。」

熊井は笑顔で答えたが、目が笑っていない。じっと大野から目を離さない。

「楽しかったよ。またみんな一緒に踊れたら楽しいだろうね」

熊井の楽屋を後にしたメンバーは自然と大野を守るかのように取り囲んで、自分たちの楽屋へ戻った。