若頭に愛されています【るぅと】

ー22ー ページ23

Aside


「でねぇ、ジェルずるぅいんだよぉ！」

「だあって、急にカッコいいこと言ってきてさぁ！こっちの気持ち考えてよぉっ！さいてぇだよぉ…」

『あ、あかねさん、ちょっと飲みすぎですよ？』

「んん、分かってるよ…」

と言いつつも、お酒をぐいっと飲む

アカネさんは、さっきから強いお酒をぐびぐび飲んでて、もう酔っぱらってる

そして、口から出てくるのは、惚気なのか愚痴なのか分からない

「ただいまー」

色気のある大人っぽい声が聞こえる

『ほら、ジェルさん帰って来ましたよ？』

「ん…じぇるぅ？」

『っあ、ジェルさん！ごめんなさいっ！アカネさん飲ませ過ぎちゃいました…』

「あー、ええよ。後は俺に任しとき。るぅとにお帰りなさいしてきな？」

『ありがとうございます！』

ジェルさんは、アカネさんに「大丈夫か？」と声を掛けて、お姫様抱っこして部屋へとつれていった

軽やかなその姿に思わず見惚れてしまった

すると、

「ただいま」

玄関から大好きな人の声が聞こえる

『お帰りなさいっ、！』

私は玄関に走って向かう

ぎゅってしようと伸ばした手

だけど、彼の手によって遮られる

彼は、私の手を絡めて、おでこにキスする

るぅとさんは予想をいつも裏切ってくるんだ

「ぎゅってしたい？」

にやりと笑って言ってくる

『っ…ぎゅ、ぎゅってしたいです』

「はい、どーぞ」

落ち着いた雰囲気で腕を広げる

私はそっと近づいて、優しく抱きしめる

彼は、ふっと笑って

私を持ち上げた

「ぐるぐる〜」

『っわぁ！わわっ、目が回るっ…！』

くるくると回転して、私の足が宙に浮く

私を降ろした時の彼の表情は、とても楽しそうだった

無邪気に笑っている彼を見て、私も笑う

これが幸せってやつなんですかね


・

ー23ー→←ー21ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す