power

11 対面 ページ13

兼近｢インジパイセン⁉インジパイセン⁉」

誰かが闇だまりに向かって叫んでいる。

松井｢じゃあ、何かあったら呼んでくれ。」

行こうとすると、松陰寺が俺の服の袖を掴む。

松陰寺｢…もう俺も戦える。俺も一緒に行く。」

松井｢お前、顔青ざめてんぞ。この状態じゃ足手まといに
　 なるだけじゃねぇか。」

松陰寺｢でも、俺だけ休む訳には、皆の方が疲れてる。」

松井｢…何が何でも行く気だな。無茶すんなよ。」

そう言って松陰寺と一緒に、闇だまりから出た。

兼近｢え…インジさん？いや、誰だ？」

ピンク髪の巡査が俺を怪しげに見てくる。そりゃ俺はメイクしてないし、髪の毛立たせてないし、雰囲気が暗いもんな。

松井｢松陰寺の兄だ。服は少しあいつに貸してもらった。
　 あいつの代わりとしてもらったら良い。」

岡部｢松陰寺さんのお兄さん？聞いたことないけれど。」

美希｢あの…お名前とご職業は？どんなpowerを使われる
　 んですか？」

松井｢松井。闇のpowerが使える。居酒屋の店長してる」

なんだか取り調べを受けているみたいだ。やっぱりすぐには警戒を解いてくれないか。

松陰寺｢ごめんな、話してなくて。でも、松井は本当に俺
　 の兄だから。」

兼近｢インジさんが言うなら、マジなんだろうな。
　 じゃあ、松井パイセンも一緒に戦ってくれるってこ
　 とっすか？よろしくっす！」

順応早いしノリが軽いな、この巡査。

岡部｢いやそんな、いくら松陰寺さんのお兄さんでも、一
　 般人に戦わせる訳には…」

兼近｢いいじゃないっすか、ベーおかさん。本人が戦うっ
　 て言ってるんすから。」

松陰寺｢俺もpowerが安定したら戦うから。それまで
松井…頼んでいいか？」

松井｢あぁ、向かってくる奴らを拘束させたらいいん
　 だろ？なら…そいつらを一か所に集められるか？」

この状況を打破する良いこと思いついた。

美希｢完全ではないですが、兼近さんの炎と私の弓矢
　 ならいけるとは思います。」

兼近｢で？どういう作戦っすか、松井パイセン？」

松井｢俺のpowerでさっきの闇だまりを出して、集まった
　 そいつらを一網打尽にする。入り口を閉じとけば、
　 怪我させることもなく、あいつらを拘束できる。」

岡部｢そんなpowerが…操られている人達は無事に
　 出られるんですよね？」

松井｢俺が出口を開けたら、簡単に出られる。早いとこ、
　 肩をつけるぞ。」

全員「｢｢｢了解！｣｣｣」

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