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ところで、世の中には子供目当てで結婚するとんでもない人間もいるらしいが、お察しの通りペコーラの継父もその類であった。しかし、そのことに気がついたところで、所詮ペコーラの妄言でしかないのだ。
デザイトリープ家でおかしいのはペコーラただ一人で、周りからすれば父親は普通の家族思いのいい父親なのだから。やたらとペコーラに密着してくるようになったことを母に告げようと、何を馬鹿なことをと叱られるのは当然ペコーラだった。ペコーラの言うことになんて、家族が耳を貸すわけがない。現実は、継父も考えていた通りの結果だった。
はて、男の人はろくでなしだなんて考えが染み付いたのは、ちょうどこれが発端だったかもしれないな。
どうして誰もわかってくれないの。どうして、どうして。ここまででもう十分にご理解いただけたと思うが、ペコーラは被害者面してばかりの、どうしようもない人間だった。夢の中の方が楽しい。寝ている間は、嫌なことも全て忘れられる。私の居場所は、夢の中だけ。
幼い頃からそんな考え方ばかりして成長しないまま、身体だけが大きくなった。故に、今もペコーラはどうしようもない人間なのである。因みに絶縁こそしていないが、成人する直前の頃には家族には完全に見捨てられている。所謂いないもの扱いだ。
リングラヴィン寮 卒業生。
16歳、つまり8年生くらいの頃にはすでに薬に手を出していた。とはいえ、口にするのは合法な睡眠薬だけであり、違法薬 物には手を出していない。とはいえ、実は一度睡眠薬をオーバードーズしすぎて倒れ、運ばれたことがある。色んな意味でなんとか卒業出来たのが奇跡である。
他の生徒達にはもちろんドン引きされており、ほとんどの人からは避けられ関わることもなかった。人前で堂々とオーバードーズしていた学生時代に比べたら、現在のペコーラはまだ全然控えめな方かもしれない。とはいえオーバードーズはダメ絶対。
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