【YOI】私のそばにはいつもスケート 2！ (ページ47)

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87.4番滑走、勝生勇利ページ47

『さあ、続いて
4番滑走、日本の勝生勇利。

今回どうでしょうか。』

『リラックスした良い表情ですね。

四大陸では素晴らしい演技を見せてくれました。
技術点も圧巻でしたが、何よりその演技構成点の高さに驚かされましたね。

元々、勝生選手はスピン、ステップの評価が高い選手でした。どんなに不調でも、必ずレベル4を獲得してましたし。

最近ますます、精度が上がって今回のステップシークエンスは勝生選手しかできないとも言われています。』

『技術構成点では、誰よりも負けないと？』

『そうですね、トップだと思います。
プレッシャーに負けず、頑張ってほしいですね。』

『コーチのヴィクトル選手は滑走順が次なので見送りは…
おっ、と？これは華野矢さんですかね？』

『そのようです。同じ日本代表の選手だった繋がりで時々演技を見てもらったとインタビューで答えていました。』

____

貴方「さて、勇利くん。

　私はクリスのチームスタッフだけど、もちろん貴方も応援している。

　そのプレッシャーを背負ってくれて、背負い続けてくれて本当にありがとう。

　 …負けんなよ。今度こそ。」

勇利「…勿論。

　 Aちゃんだけじゃない。この会場中に僕の愛を見せつけるよ。

　行ってくるね」

Aは笑顔で勇利を見送った。

勇利は氷の中央に立つ。

その姿は、

まるで誘う女そのものに見えた____

貴方(ああ、強くなって…)

最初の4回転はフリップ。

『4回転フリップ…

決めてきた！綺麗に決まりました！』

『今回、勝生選手はショートでの4回転はフリップとループを予定しています。

今までとは非にならないくらいの高難度プログラム。

ノーミスで決めれば、優勝も見えてきますが____

トリプルアクセル！は手をついてしまいましたね。』

『回転は足りています。』

選手は日頃の練習と自分を信じるしかない。

リンクの上に立てば、演技が始まれば、

助けてくれる人は自分だけ____

『最後のジャンプは
4回転ループ、3回転トゥループ____』

歓声が大きくなる。

貴方「飛んだ…」

『ジャンプが本当に安定するようになりましたね！』

最後、男をポイっとして、

勇利「…っはぁ、は、』

勇利(トリプルアクセル…)

勇利は、その一個だけのミスが、

酷く心にトゲのように残って…

貴方「勇利くん！！！！」

引き戻したのはAの声だった。