とこしえばな【虎】2 (ページ1)

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意識とキスページ1

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一緒に住むみんなに気を使うことが少なくなってきた。

そんな、冬の日。

『お先に失礼します～』

「あっ待って待って！今日合コンあるんだけどどう？」

皆さんに頭を下げオフィスを後にしようとすると同期の女の子2人が寄ってくる。

『えー、と』

「人数足りないんだよね」

「Aちゃんかわいいし、ね？だめかな」

昔からそういう場は苦手で避けてきたし、できれば行きたくないな。

『ちょっと今日部屋の掃除しようと思ってて‥‥また誘って？』

下手な愛想笑いを彼女たちに向ければそれ以上食い下がることはなく、じゃあまた誘うね、なんて軽いノリで帰っていった。

今は仕事とか、色々あるしそういうのはいいかな‥なんて

でも

いつまでもあそこに居候してる訳にいかないのは分かっている。

『はぁ』

‥‥ん？

え、あれって‥‥

何故か今私の目の前に海斗さんらしき人がいる。

壁にもたれながらギターを背負って携帯をいじってるその姿は彼そのもので。

キラキラと光る金髪が夜の中で目立つ。

こないだ赤かった髪を金に染めていたから、間違いない。

『海斗さん‥‥？』

そっと近づいて声をかけると肩が跳ねて少しだけキリッとした目が私を捉えた。

松倉「Aちゃん、びっくりした！」

『びっくりしたのは私の方だよ‥‥！なんでいるの、』

『寒そう、鼻赤いよ』って海斗さんの鼻を突けば擽ったそうに身を捩る。

松倉「さっきまで外いてここ来たら会えるかなって‥‥きちゃった」

　

『来ちゃったって‥‥もう風邪引くよ』

松倉「そしたら看病してよ」

ギターをよいしょと背負い直して歩き始める。