セブが一人 ページ1
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『 は、っはぁ、ぅ、は、はっ、 』
セブ、セブ、セブ。
私の大事な、大好きな、愛しい大切な私のセブ。
大丈夫、セブは強い子だから、きっと、大丈夫なの
だから、ね？これはきっと夢なの。私のセブが、首から血を流してることも、いつもみたいにぎゅっと抱き締めても動かないことも、名前を読んでも呼び返してくれない事も、ぜんぶぜんぶぜんぶ
『 ゆめだと、いってよ、、 』
『 せぶ、ねぇセブ。おねえちゃんよ？ほら、せぶ。帰りましょう、わたしたちの家に。ね、ほら。貴方のだいすきなレモンケーキも焼いたのよ？ 』
ぼろぼろと涙を零しながらセブを抱き寄せる。何時もみたいに、私の肩口にセブの頭を押し付けても、何時もみたいに恥ずかしがったりしない。
『 ッ、せ、せぶ、、セブ、セブ、、、いやよ、いや、死んじゃいやよ！！どうして、わたしを置いていかないって約束したじゃない！！っ、ぅ、せぶ、せぶ、、、いやだよ、、いかないで、 』
叫ぶように、嘆くように。
私の声だけが部屋の中に響いていた。
まだ温かいセブの体をしっかりと抱き留めて、その熱を決して逃がさないように。
○
暫くすれば、その部屋から悲痛の叫びは消え去っていた。代わりに響くのは彼女のすすり泣く音とたどたどしく危なっかしい様な声色の子守唄だった。
『
』
悲痛に歪みながらも、慈愛の籠った姉の目で、彼女はセブルスを抱きながら口を開いた。
それは、昔昔の大昔、禁忌とされた古代魔法。
全てを無に還し、時を遡り、過去をも変えてしまう
そんな、強大で、恐ろしい魔法。
『 大丈夫よ、セブ。お姉ちゃんが守ってあげる 』
『 愛してるわ、セブ。 』
魔法とは、愛とは、不思議なものだ。
死の呪文を跳ね返し、人の心を動かし、大切な人のためなら命をも投げ出すことを厭わない。
古代魔法もまた、愛の魔法であった。
きゅるきゅると音を立てながら地面に描かれて行く魔法陣の真ん中で、彼女は愛しいその人の頬を撫ぜた。
『 さようなら、セブ。 』
わたしの、さいあいのひと。
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影夜(プロフ) - めっちゃ更新待ってるのですが、やめちゃったのでしょうか？ (1月29日 6時) (
レス) @page16 id: dd37505a65 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ餅 - すごく面白いです!!諸悪の根源（髭爺）への意見同じ過ぎでワロタw (2023年3月3日 20時) (レス) @page16 id: ba2b3def77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥 | 作成日時：2022年10月11日 23時
