【selly】道を間違えずに/短編集 2

誠意ってもんがあるでしょ ページ42

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うちの彼氏は結構できた男……というか、自分に厳しい且つ私に甘いので喧嘩した回数なんて右手で数え終わってしまう



約束は絶対に守るし、そもそも記憶力がべらぼうに高いので私がぽろっと口からもらした欲すらも覚えてるから逆に怖い時すらある


多少かまってかまってだけど、それは可愛いので全く問題なしい食欲がない代わりあっちの欲に全振りなのは気になるけど

まぁ、許容範囲内



いや、ご飯食べて。
細すぎ！不健康すぎ！タバコやめなさい！カフェインもやめなさい！




とまぁ、私の彼氏様はゲームだけじゃなく女の扱いにも長けてるわけだけど




｢あぁぁぁー！！！！！｣




sellyの家でいつも通り私が先に起きて、いつも通り朝ごはんを作ろうとキッチンに立ってそして流しのあるものに目が止まった




空っぽのカップとひとつのスプーン



昨日の夜、私が寝る前に全て綺麗にしたはずの流しにそれが置いてあった





｢sellyー！！起きなさい！｣



寝室に戻ってまだ寝てるsellyから布団を取り上げた

グッとsellyの眉根がよって、小さな声で韓国語が聞こえたけど私は無視して｢selly！｣ともう一度大きな声で呼んだ




｢…なんだ……。うるさいけど｣



｢selly！昨日帰ってきてから私のぉ……私がmondoからもらったプリン食べたでしょー！｣


｢ふぇ？なに……、もう1回｣



｢もぉぉぉー！楽しみにしてたのに！だせぇー！今すぐ出して！！！｣




もちろん一度腹の中に入ったものが出てくるわけもないけど、sellyの身体を揺さぶった


前にmondoが家の近くにめちゃ並ぶケーキ屋出来たって話をしてくれて、私が食べたいなぁと言ったら｢面倒い｣なんていう会話をしたことがあった



mondoが私のために並んでまで買うなんて全く想像つかないし、そりゃそうだろと私も思っていたのだ


だけど！
昨夜sellyと飲みに行ためにsellyの家に来た時、｢あげるよー｣とmondoがくれたのだ


あのmondoが！




mondoがだよ！？

プリンな特別好きなわけじゃないけど、例えこれがコンビニのプリンだとしてもこの世に一つしかない貴重なものだったんだ

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