【selly】道を間違えずに/短編集 2

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という電話をしたのが3日前
なぜだかまたsellyからの鬼のような電話が来てて、私は腰に手を当てた


あの男は一体いつになったら待つということを覚えるのだろうか




それとも韓国人はみんなそうなわけ？mondoも既読がつくまでめちゃくちゃスタンプ送ってくるし




わざわざ折り返さなくても手に持った瞬間電話がなったので私はそのまま耳に当てた



｢はいはい、なんですか？｣



『これまずいよ。助けろ』



｢…なに。どうしたの？けが……？｣





不穏な単語の羅列にゆるゆるだった私の線がピンッと張った


でも向こうの彼は呑気にお茶を飲んでるのか、タンブラーのぼぉんって音がした




……なに、本当に





『けが？Aが？』



｢いや、もういい。分かった分かった
それでどうしたの？なんの電話？｣



『HIKAKINさん…は…、オレよりもっとすごいじゃん
だからぁ、敬語教えろ』



｢じゃあ、まずその教えろってやめなよ。んふふ
なに、selly敬語勉強したいの？日本語の敬語難しいよ、凄く

日本人でもよくわかんなくなるもん｣




『これ、オレ大丈夫？HIKAKINさん上の人けど……、オレ日本語悪口だけから』



｢いやいや、敬語じゃなくてもHIKAKINさん優しいから絶対になんとも思わないよ？

日本語喋ってくれるだけでありがたいって｣



『……いいから、早く教えろ』




うーん。
本当に敬語なんてしなくてもいいと思うんだけど
本番明日だし……


急にどうしたって言うんだ




『Aさぁぁぁぁん』



｢っー！！？｣



『Rasうるさい！』



｢び、びっくりした。Rasさんもいたのか｣




『はい！います！Aさん、俺にも日本語教えてください！敬語！』


｢もう出来てるし、Rasさん｣




あぁ、何となくわかった。
韓国は結構上下がちゃんとしてるってのもあって、Rasさんがsellyに言ったんだろうな

敬語で話した方がいいって



電話の向こうで言い合いをしてる2人が急に可愛く思えてしまって、私はいいですよ。と答えた

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