【selly】道を間違えずに進めたら良かったのに。2

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しばらく歩いたところで解放されて、歩く速度もゆっくりになった



腕ちぎれるかと思ったよ




sellyに握れていた手首はsellyの手形がつくほど赤くなっている

力強すぎです……





｢sellyあーいうの好きじゃなかった？｣




｢だってガキじゃん｣



｢sellyが？｣



｢なんでオレかぁ、Rasだ、Ras｣




｢えぇ…Rasさんいい人だよ？すごく親切｣






なんで睨むの

そんな2人って仲悪いわけ？



でもsellyと仲悪くなりたいわけじゃないので私はアクセサリーをあきらめることにした
それに妹さんだったなんて……こいつ英語下手って思われたの恥ずかしいんですけど




｢あとA｣



｢なに？｣



｢オレひらがな読めないけど｣



｢え！？｣




sellyがポッケから私の書き置きした紙を出して私に見せてきた

一度グシャッとしたあとが見えて、ようやく理解した




機嫌が悪いのは読めない書き置きをした私に怒っていたのか……





｢ごめん、こんだけ喋れるからひらがなはいけるかと思っちゃった。
ローマ字は？｣



｢それがいいじゃん｣



｢おけわかった。これからそうするね
でもじゃどうやってここがわかったの？｣




｢………｣





｢なに…｣





sellyはその紙をまた元に戻して視線を斜め上に持っていった
私もその後を追って見るけど木が生えてるだけだ


視線をsellyに戻して答えを待つと



ほんんんんんんっと小さい声でRasと答えた




ライバルかなんかなの？何その対抗心。可愛いんですけど




｢そういえばRasさん読めてたわ。私、連絡普通に漢字も打ってたのに｣




そうだよね？と思って確認がてら携帯を開くとなぜか手元からそのスマホが消えた




｢ちょっ｣



｢これRas？｣




なぜかsellyが私のスマホを片手にRasさんとの会話をスクロールしている

でもひらがなが読めないsellyには何話してるかわかんないだろうけど、それにイラついたのかどんどん眉根が寄っていっている




｢返してよー、selly｣



｢オレ、Aの携帯のaddress？知らないけど｣



｢そうだよ。交換する？｣



｢それのがいいじゃん。Rasのいらなくなるから、消せ｣



｢え、やだよ。いるいる。今度ゲームしましょうって誘われたんだから｣




｢ﾁｯ…｣




舌打ちされました。

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