541 ページ41
.
久しぶりにゆっくりな時間が流れた
みんなの視線を感じつつも、本を読み勉強をし、なんなら楽器の練習さえもした
途中、石像を壊したという報告を聞いて血をまふまふ様にあげたり指が実はポッキリいっててそう様にこっぴどく怒られたりしたけど、まぁ概ね平和だった
そして3日が経って、約束通り私はまふまふ様と会うために温室に来ていた
｢こんばんわ、まふまふ様｣
すでにもうまふまふ様はそこにいて、私は軽く手を振った
温室特有のジメッとした空気が私の髪を押さえつけて、鬱陶しくて薙ぎ払う
夜といえどもどうしてこんな過ごしにくいところを指定したんだろうか
｢指の加減はどうですか？｣
｢折れていたようですが、使わない指ですし生活に支障はないですよ｣
席に着くと冷たい飲み物が用意されて、茶菓子と軽食も置かれてみんなは私たちが見えるギリギリまで離れてった
ゆっくり話せってことなんだろう
だからもう仲直りしたんだって
｢獣魔の方はいかがですか？確認したのですよね？｣
｢今日して問題なかったですよ
大切な血液を分けてもらって助かりました｣
｢大したことではありません｣
なんだか懐かしいなこの感じ
初めてまふまふ様と会った時を思い出す
まぁその時と違って私は緊張してはいないけど、互いに3歩も4歩も引いたこの距離感
安心する……怖くない。
｢次は青の国ですね。あちらまではとても遠いですから早めに出ないといけませんね｣
｢準備が整ったら連絡します｣
｢もう赤の国を出ないといけないと思うと惜しい気もしますが仕方ありませんね｣
たった1週間とちょっとだ
でもまだ2つの国しか回れていないのに1ヶ月を終えてしまっている
夏も本番になればこの国にいるのは少し辛い
そういった意味でも早いところ移動しなくてはならない
だからまふまふ様がさっさとやることを終わらせてくれたのは有難い話だ
私には時間制限があるわけだし
｢A……｣
｢はい、なんでしょう｣
呼ばれたので顔を上げたのに目は合わなかった
なんだって言うのだ
そんなに気まずそうにされるとこっちも座り心地が悪いんだけども……
｢なにが…気に食わないんですか…？｣
｢気に食わない？｣
なに、その質問は
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 439人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハク - コメント失礼します。いつも、楽しく読ませていただいています！勉強にもなるのでとても気に入っている作品です。これからも、無理しないよう頑張ってください！ (2021年9月14日 22時) (
レス) id: 1f17dfabe8 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ひよさん» いつもありがとうございます。わぁそれは素敵ですね！是非とも書かせていただきますっ！！ (2021年9月12日 23時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - りょくちゃさん» そうなんです、いつの間にやら10を超え、20に向けて歩き出してしまいました笑、赤の国編は短くまとめる予定なので濃縮されてますがお楽しみくださいっ (2021年9月12日 23時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - いつも楽しく読んでます♪もしよければな〇せさんとお出かけした時のなる〇さんの心境を閑話で読みたいです！何卒… (2021年9月11日 23時) (レス) id: 4b44556f18 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - もう11ですか、、(出遅れた)赤の国のことは密かに気になって楽しみにしてたのでうれしいです！更新がんばってください(^^) (2021年9月8日 19時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
