過 保 護 の パパ 7【まふまふ】

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｢落ち着く……｣







割かし人は多いけど、薄暗い感じが心地よい




｢人酔いしないようにね｣



｢Aははぐれないようにしてよ｣



｢そんな心配しなくても、携帯もあるしすぐ合流できるよ｣






こんな時まで眉根を寄せて睨んでくるもんだから、苦笑してしまう




｢Aはいつも想像の斜め上を行くから信用出来ない｣



｢子供じゃなんだから迷子にならないよー。
なんなら、手でも繋ぐ？恋人みたいに｣




｢………｣




私が冗談半分で差し出した手をパパはわざわざ手袋を外してから握ってきた


そこまで私は信用ないのかと若干落ち込むほどである




まぁ、周りから見たらこの年齢の男女二人なんてカップルで来ているようにしか見えないだろう
その風の方を装った方が紛れ込みやすい






｢パパの手って冷たいよね｣



｢Aが暖かいんだよ｣




そうかな……
いつもおでこに触れてくるパパの手は冷たい

冷たくて目が覚めるというか、気持ちいい




｢パパ手、大っきい｣



｢男だからね｣




上から目線に勝ち誇った顔で見てくるもんだから、私は無視して目の前の水槽に意識を戻した



ゆったりと色んな魚が泳いでいる大きな水槽

パッと見じゃサメとかマンボウぐらいしか名前がわかるやつがいない



でも前の方は人がいっぱいで近づけないので、魚の解説も見えない






｢パパは魚について詳しい？｣



｢鯖は美味しいよね｣



｢それ、水族館に来て1番言っちゃいけないセリフだと思うよ｣

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