過 保 護 の パパ 7【まふまふ】

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｢A……｣




｢あぁー！よしっ！せっかく水族館来たんだから魚を見に行こう｣






パッとパパから距離をとって、私は歩き出した
パパが慌てて後ろから着いてくる音がして、私は水槽の方を見る




｢………なんか言わないの｣



｢ぅっ………今思い出させないでよ。忘れようとしてるところだから｣



｢顔真っ赤だよ………｣




｢デリカシーを持ってください｣





全ての出来事を気のせいだと。なかったことにしよう
それが一番楽で、1番の正解だと思った


ほじくり返して、このことを奥深くまで追求するのはパパにとっても私にとってもなんもいい事ない



それよりもニモ！
この目の前に広がる熱帯魚のコーナーを楽しんだ方が建設的だ

魚に詳しくない私でも、熱帯魚ならなんとなくあー、あれ見た事ある。ってなる





｢ひゃっ｣



｢びっくりした｣



｢びっくりしたのはこっちだよ。いきなり手、繋がないでよ｣




左手を思いっきり振り落として、パパの手を解き距離を開ける


いきなり触ってくるなんてどうかしてる





｢さっきまで普通に手を繋いできたのはAなのに｣



｢お、覚えてない｣




そうだったけ……私そんなことしてた？



今までの私がどうしていたのかが全然思い出せなくなってしまった


何をしていても違和感。これ違うな…感が抜けない





だめだ。普通に……普通にしよう。

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