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「天月の女かな?天月くんいますかー、彼女さーん」
ねっとりとした喋り方なのに、刃物のように私の体を指してくる
硬直して口が動かない
もう涙を堪えることしか出来なくて、カタカタと歯が音を立てた
無理だ、こんなのっ…
「おーい、彼女さぁん」
「ぁ……」
「めんど。お邪魔するよー」
待って!
中に入らないで
そう言いたいのに、声も出ないし腕も動かない
何しに来たんだ、私!バカ!動け!!!動けよ!!
5人のガラの悪い男がくつも脱がずに上がっていく
重たいドアが勝手にしまって、追い出さなきゃいけないのにどうしたらいいのか分からない
逃げたい。
いや…逃げなきゃ…っ
「あれれぇー?もしかして天月くん不在ですかぁー?
俺たち来ること知ってて、彼女置いてったのー?」
「ってことは、好きにしていいってことだぁー」
「ちっ…、が………、」
男の腕が伸びてくる
告白されたことないし、ナンパだってされたことない私だけど、今からおろうとしてる事がなにかすぐに分かってしまった
やだ…やだ…、
来ないでよ
なんでこんな酷いことするの
「天月くんから交通費ということで、俺らとあーそぼ」
今まで魔法のように動けなかったのに、男に引っ張られた途端私の体は前のめりに動いた
そこで魔法が溶けたかのように、短い悲鳴が私の喉から漏れ必死に腕を振った
「やだっ!離してっっ…!!
離してってば!!やだぁっ!!」
「嫌がる女の子に無理やりするのがいいんじゃぁーん。
さっきまで黙りだったから、マグロかと思ったーよっと」
勢いよくほおり投げられ、机に体をぶつけて机のマグカップが落ちて割れた
でもそんなの関係なくて、私は必死に男から逃げた
もちろん逃げられるわけなくて、一瞬で足首を掴まれて私は破片の前で顔を床につけた
逃げられない
ビクともしない
「胸何カップ?最後にしたのはいつかなー?
天月くんより上手にやるよー」
あーダメだ。
もうダメだ。
私は主人公でもなんでもないんだから、ここで助けが来るわけでも、超人的な力を発揮出来るわけでもない
「こ、来ないでっ!」
「おいおい、そんなんで脅しか?」
でも、なんの力にもならない要らない能力ならある
「あんた達許さないから」
手に持ったマグカップの破片を勢いよく自分の喉にぶっ刺した。
死んでやり直しだ───。
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パール(プロフ) - Reさん» こちらこそ、お読みいただきありがとうございます、です!更新頑張ります! (2021年6月20日 17時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 粉雪さん» あぁぁ、ありがとうございます。日を空けてもそのようなことを言って下さり、感無量です。完結までここまま一気にすすめますね! (2021年6月20日 17時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - VIIIさん» 返信が大変おくれました。好きだと言ってくださる方のおかげで、ようやっと続きを書く意欲が湧きました。日々感謝です。ありがとうございます。 (2021年6月20日 17時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 桜餅さん» とても返信が遅くなりました。いつもありがとうございます。お気に入り登録とても励みになりますっ! (2021年6月20日 17時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
Re - めっちゃひきこまれました…!続きめっちゃ気になります!素晴らしい作品をありがとうございます!!!!! (2021年6月7日 23時) (レス) id: 5a5fc15822 (このIDを非表示/違反報告)
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