過 保 護 の パパ【まふまふ】[完結]

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校門に女の子たちと歩いて向かっていると見慣れた顔が門のところに立っていた



げっ……



思わずピタリと足を止めてしまって、周りの子も何事かと振り向く



｢どうしたの？忘れもの？｣



｢あぁー……うん！そう！忘れもの！先行ってて！すぐ行くから！｣



｢え？待ってるよ？｣



｢ううん！大丈夫！近いし！｣



｢そう？……わかった、じゃ先行ってるね？｣



｢うん！また後で！！｣




友達になりそうな3人の女の子たちの背中を見つめる

綺麗に見えなくなったところで、門に立ってる男に近づいた



｢友達ができたようでよかったですね｣



｢よくない。今から友達になるんです
だから、私今日ファミレスに行くから先帰ってください｣



スーツを着込んでいるこの男……対外的には親子が話しているように見えるだろう



でもこの人は違う
パパの仕事仲間だ


仲間……というか、パパは何かの社長らしいので部下というか



とりあえず、何故か私のお目付け役みたいにこの人──高橋さん───がくっついてくる




つまり今日もパパの代わりに入学式に来てたという訳だ




｢寄り道はダメと言われませんでした？｣



｢今日くらいいいじゃないですか。門限守るし、みんなだって行ってるんだから｣



｢そのまま家に連れて帰るように言われてます｣



｢……ケチ｣



ここで私が走って逃げたら、今度はこの人がパパに怒られてしまう



この人はとってもいい人なのは分かってるので、ちょっとそれは可哀想



｢Aさんも大変ですね｣



｢パパは絶対におかしい。私を何歳児だと思ってるんだ！｣



乱暴にスマホを取り出して、さっき交換したばかりの連絡先に体調が悪くなって行けなくなったと送った



心配してくれる文面が胸に刺さる



｢車で来てます、送りますよ｣



｢はい……｣

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