Ep4 ページ4
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転校初日。ただ、自転車部と一緒に練習できるかな？と軽い気持ちで部室の戸を叩いたのに、私は自転車競技部の人達を困らせているようだった。申し訳ない。
金城「とりあえず、俺たちと走りに行くか。田所、付き合ってくれないか？」
田所「おう、構わねぇぜ」
サングラスをかけた声の低い男の人がそう言ってくれた。うだうだここで話すよりも、そうか。走りを見てもらったほうが早いと思う。
うんうんと頷いているとパーマをかけた男の子は悩みながらもまぁ金城さんがそう言うなら‥と了承してくれた。
話が決まると皆部室から出て各々の自転車をローラーに乗せてアップを始めた。
手嶋「俺たちはアップしてから通常メニューで練習します」
金城「任せたぞ。俺と田所はこの子と一緒に田園区間を通って峰が山を登る。後で頂上で合流しよう。」
「あの、ありがとう。無茶なお願いだったのに。Aって呼んで。よろしくね」
金城「俺は金城真護だ。よろしく。」
挨拶もそこそこに、私も準備を始めた。手袋をはめ、ヘルメットをかぶり、軽く準備運動をする。体の大きな男の人からおい！行くぞ！と声をかけられる。そして3人で校門を抜けて長い長い坂道を下った。
田所「俺は田所迅、スプリンターだ。よろしくな！」
「よろしく迅くん。」
話しながら自転車で進む。2人は3年生、私と同い年だった。さっきのパーマくんが2年生。現在主将。副主将の青八木くん、1年生の坂道くん‥
色々教えてもらったけどたくさんいたのでまだ顔と名前が一致しないなぁ、と言うと真護くんと迅くんは笑った。
金城「しかしこの時期に転校は珍しいな」
坂も終わり、市街地を走っていた。車も歩行者も多いので比較的ゆっくりと会話をしながらペダルを回す。
「うん‥私のお父さんが転勤族でさぁ。嫌になるよね〜。小さい頃から転校転校で‥もう慣れちゃった。」
田所「へぇ、意外と苦労してるんだな。急に入部させろとか言うからどんな奴かと思ったぜ。」
なにそれひどくない？と笑いながら市街地を抜ける。同い年ということと、自転車に乗っている。その共通点だけで打ち解けるのに時間はかからなかった。
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作者名：ハレルヤ | 作成日時：2020年1月1日 23時
