【銀魂】 *真選組の医務*

あん時 ページ28

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総悟side

　『…』

布団の上で眠る風間。

風間が倒れてから丸三日経ったが、全く起きる気配がない。

医者によれば起きるまでが山で、生きていてももう眼を覚まさないかしれないとまで言われた。

　「クソッ…」

畳を殴る。

　「またでぃ…姉上の時みたいに、また…」

何も出来ない自分が情けなかった。

　「…そういえば、お前あん時の女の子だったんだってねぇ」

　「さっき、土方のヤローから聞かされやした」

特徴的な赤い目に深緑の髪。

　「よく思えば、んな特徴的なもん忘れる訳ねぇのに…最低で最悪な俺。それをキレイさっぱり消してたんでぃ」

今更、謝って済まされる事では無いが、ちゃんと俺の気持ちを伝えておきたかった。

　「あん時、俺は気づいて無かったけどお前村の奴等に苛められてたんだってなぁ」

実際、凄い仕打ちを受けたらしい。
気味が悪く、自分の村の奴に取りついて欲しくなかったのだ。

　「毎日、体ボロボロで…そんな酷い村なのになんで待ってたんでぃ。バカな奴だ」

　「お前は、あの頃から他人第一で自分の事なんて考えてなかった…確かに、あん時お前に守って貰わねぇと俺は危なかったかも知んねぇ。でも…」

あれは、俺の最低な言動のせいだ…
なんで、わざわざ俺に合わせたりなんか…


俺があの女の子と絡むのを良く思わない村民達は、俺に次々と色々な事を吹き込んだ。

　あの子は、呪われてんだよ。
近づいちゃ行けねぇ。

　アイツは、鬼の子。早く、離れな！

　あの子は、大悪党だよ。盗みから人殺しまでやるね。あぁ、早く立ち去って貰わねぇと、祟りが起きるぞこりゃ。

　「色々な事言われてたな…でも、俺は信じなかった。でも、あん時…」

おばさんの悲鳴と共に迎えた朝。
外に出てみれば、村の一角に住んでいたたくさんの村民が殺されていた。

　「第一発見者はお前で、しかも体が血に濡れてて、どう見たってお前が犯人。そんな状況だった」

風間は自分を苛めていた村民さえ、助けようとしてくれてただけなんだろうけどよ…

でも、その頃は考える隙も無くただ憎悪を覚えていた。

そこからは、簡単だ。
兎に角、風間をこの村から追い出したかった。

　「そこからでぃ。俺が、とてつもない罪をおかしたのは…」

そう、あの事件目撃者が一人居た。
よぼよぼのじぃさんでその日たまたま
散歩をしていたら薄ら闇に男が刀を振るっているのを見たと、言う。

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人殺し→←同情

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