【銀魂】 *真選組の医務*

ガラじゃない ページ14

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土方side


正直、コイツに話を聞かれた事は予想外だった。
ましてや、こうやって本人から話を聞くことになるとは思いもよらなかった。


『本当の父親は死んだだろうて言う憶測なんだけどね。私は本当の父親の名前も知らないし、顔も知らない。母が私を産んで死んでしまったからすぐ里親に預けられた。まぁ、捨てられたんだろうね』

「…」

゛捨てられたのかも゛
アイツと重なる…

風間の顔が酷く悲しく見えた。

『その里親には双子が居てね。その二人は、あたしによく懐いてくれたよ。でもね…その親が自分可愛さに仲間を裏切り、最後にゃ子供を売ろうとしたのさ』

「ッ…！」

『まぁ、最後は結局斬られて死んだけどね…あたしらはなんとか逃げた…けど、双子の片割れが大きい怪我をしてね』

悲痛に歪む、風間の顔。

『それで、あたしが何をしたか分かるかい？怪我をした片割れの助かる確率は無かった。それでも、双子が離れないから…幼い二人を置きざりにしたんだよ…片方は、怪我をしもう片方は、側で泣きじゃくってた。おまけに追っ手も泣き声で場所に気付いてた。パニックに陥いったあたしには、なんにも出来なかった』

うつ向く、風間。

『あたしは逃げてばかりの臆病者、人殺しなんだ』

ふっ…と、笑いこっちを向く。

「今にも泣きそう顔しながら笑ってんじゃねぇよ。ガラじゃねぇな…」

と、言い胸に引き寄せる。

『ひ、土方…』

「俺は、何も見てねぇし見ねぇ。他の奴にも喋らねぇ。だから、泣け」

我慢すんな。自分を責め続けても、死んだ奴等は喜ばねぇよ。

なんて言えば嗚咽を我慢する声が聞こえる。

変な所で強がりやがって…やっぱ、昔と変わってねぇ。


俺は今回の事で確信していた。

(こいつはあの時の…)

『…ッ……』

あれから十数年、こいつに何があって何を悩んだのだろうか。
こいつにはまだまだありそうだが一つ一つ聞いてやりたい。

「ちっ、俺もガラじゃねぇことを…」

『お互…い様だっ』

「ふっ…そうだな、お互い様か」

目と鼻の先を赤に染め、上を見上げて来る風間の頭をくしゃっと撫でる。

「風間、辛い事があったらなんでも言え。俺が、受け止めてやる」

『あ、またガラじゃない。今日はどうしたんだ？』

と、笑う風間。

「本当にな、今日はどうかしてんだな」

『まぁ、なんだ土方…あ、ありがとう』

「なんてことねぇよ」





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世間は甘くない→←可笑しい二人

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