7話 ページ8
七海said
「貴女がわざわざ危険を冒してまで、祓う必要はありません。祓うことが仕事の人もいますから」
止めなければならない
自ら危険な世界に入っていく貴女を
実際どれだけ危険で、呪術師は常に死の淵を歩いている事を知らない貴女を
『危険なことはわかっているんです。あのヘンナノによって、人が死ぬことも知っています。それでも、私は自分のできる範囲では祓いたいです』
「!!」
『私、一度逃げたことがあるんです』
「逃げた?」
『はい。暗い話になってしまうのですが…』
「かまいませんよ」
『なるべく短く話しますね。えっと、中学生くらいの時に、ヘンナノを祓うことが出来ると気づいて、少しでも誰かを助けられたらと考えました。あのときの私は、現場がどれだけ悲惨なものかも知らず、弱っている人を助けるには病院が一番だと思い看護師を目指しました』
「…」
『医療系の大学に入ると、実習まではいかないですけど、看護師さんの手伝いをする機会がありました。やっと苦しんでいる人を助けられると、意気込んでいました
けど、そう現実はあまくない。学校でも数回しか見たことないようなのが、当たり前のようにいて同じ空間に居るだけで苦しかったんです』
「…」
病院や学校といった、大勢が集まる場所には呪いが溜まりやすい
大学で行くような場所なら、相当大きな病院だろう
そこらで見るような呪いとはレベルが違う
『それでも、初めの方は自分しか出来ないんだって言い聞かせて、弱そうなものから祓い続けました』
だから耐性があったのか
『体験期間の後半、仲良くなった患者がヘンナノに連れられて亡くなりました
ご飯中するような話では…って、いつの間に食べ終わって……』
「私の事は気にせずどうぞ。前の仕事もあって慣れていますから」
『そうなんですか…?
まぁ、このあとは簡単ですよ。怖くて祓えなかったせいで、どんどん居なくなっていって、祓っても祓っても悪化して……知ってる人が死ぬの怖くなって逃げちゃいました。
全く関係ない仕事も始めましたし…もう戻ることはないでしょう』
「…私も似たような理由で、前の仕事をやめました」
同期の顔が頭に浮かぶ
『一度逃げちゃってるので、もう逃げたくないんです。だから祓い続けます』
どの呪術師も、貴女と同じような
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森 - 面白い小説×ナナミンとか…最高か?? (2022年2月28日 3時) (レス) @page46 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
風夏(プロフ) - はっ!!教えて下さりありがとうございますコソッ (2021年3月11日 18時) (レス) id: 7e781b4eec (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - 13話、五条さんが五條さんになってますよ(コソッ 素敵なお話の更新頑張ってください (2021年3月11日 15時) (レス) id: ad0305c35a (このIDを非表示/違反報告)
風夏(プロフ) - マリイさん» 大変だ!ななみんが死んでは皆が困る!!この先もずっと愛してあげてください!! (2021年2月6日 21時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 建人は私の夫 建人の方から私にプロポーズして来た建人は私が居ないと私に愛されてないと建人死んじゃう (2021年2月6日 14時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風夏 | 作成日時:2020年12月31日 22時