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番外編:会うためならば 黒尾 ページ8

※本編とは関係ありません。





”遊びに来いよ”

そのメッセージを黒尾からもらったのは、確か先週くらいだったか。
なんかしらの予定を作って、わざわざ宮城から東京へ向かってやるくらいには俺はいいやつなはずだ。
そして東京駅まで迎えに来てくれる黒尾もいいやつってことなのかもしれない。

「お前絶対迷子になるからな」

前言撤回。単なる失礼野郎だった。


「うち泊まるんだろ?」
『うーん、迷惑じゃなければそうしてもらえると』
「そのつもりで予定くんでるから平気」

研磨は明日あいにくるってよ。
あ、まじかやった。孤爪とも会いたかったんだ。

そんな話をしながら、黒尾宅に向かうために電車に乗る。
東京の電車は混んでいる。知っていた。知っていたはずなのに。


「おい、大丈夫か」
『腰、痛い、』

満員電車とは、果たして。
なんでか電車が遅れていたらしく、満員も満員。
なんとか黒尾の隣に立っているけれど、もともと田舎育ちで東京の電車に慣れていない俺にいきなりこの難易度は高すぎる。


「しょうがねえな。こっち来い」

横に並んでいた俺を黒尾は無理やり自分の前に引っ張った。
黒尾が作ってくれた空間に、俺はすっぽり入り込む。

後ろは壁。前には黒尾。

「少しはマシだろ」
『腰は救済された。感謝』
「いきなり満員乗せるつもりはなかったんだけどなー。悪い」

電車の遅れは黒尾のせいではないのに。なんで謝ってるんだろう。

『お前悪くないし。っていうか黒尾は大丈夫なの?』
「俺は慣れてるから平気」

田舎者のお前と違って。
・・・その一言がなければお前は本当にいいやつだったのに。

「まあこれで東京嫌いになっても困るからさ。ちゃんと守るわ」
『なんだそりゃ』
「東京嫌いとか言いそうじゃん。人多すぎて、とか」

まあそれは確かに思うけども。
でもそれでも。

『黒尾たちに会うためだったら来るよ、それは』

目の前にある顔を見て言えば、一瞬面食らった表情をして。

「たち、ね」

すぐにいつもの顔に戻った。

「ま、今はいいわ」
『なんのこと?』
「なんでもねー」

意味深な笑みを浮かべた黒尾は、その後も目的地に着くまでずっと俺を”守って”くれていた。


(また来いよ、今度は俺に会いに)
(?いま会ってるじゃん)
(・・・くそ手強ぇ)









満員電車に乗っている時にこの話を考える程度には妄想癖があります。 浅葱

終わり ログインすれば
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もこ(プロフ) - 出来たらシリーズにしてくださると読みやすいです。いきなりすみません。 (8月2日 16時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます。なかなか更新できずすみません、、リンクの報告ありがとうございます!貼ったつもりでしたが、確認してみます(°_°)更新頑張ります!! (2018年6月26日 12時) (レス) id: 921ec050fc (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - この小説大好きです!次の更新楽しみにしてます!でも多分前編にはどちらにも続編リンク貼られてないし続編があるとも書かれていないので、続編があるとは知らずに1や2で読むのが止まっている人がたくさんいると思います。前編は更新停止状態にされていましたし。。 (2018年6月25日 11時) (レス) id: ca5e06f07f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夏海です!麗(うらら)で始めました! (2015年2月13日 23時) (レス) id: de73129859 (このIDを非表示/違反報告)
cat=^・ω・^= - これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2015年1月21日 9時) (レス) id: e5b4a0e619 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅葱 | 作成日時:2015年1月10日 19時

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