繋ぎ止めてくれる人 ページ8
「紫淋さん」
実緋さんの声が静かでありながらもしっかりと僕の名前を呼ぶ。
「はい……」
僕は弱々しくあったが、なんとか返事はした。うっすらと開けた目で見えるのは、天幕と知らない天井。いつの間にかベッドに移されたらしく、ベッドはふかふかだ。
「よかった。魘されていたようなので」
「どうもすみません。ここは?」
「寝室です」
これはまた豪奢な。さすがは元貴族といったところだろう。
どうやら僕は眠ってしまったらしい。寝心地はよかったが、夢見は悪かった。
はあ、と溜め息を吐くと、大丈夫ですよ、と微笑んだ。
夢に呼び掛けて、救ってくれたのは彼女が初めてだ。
譬心の欠片でなくとも、こうして繋ぎ止めてくれる存在というのは嬉しいものだった。
ありがとうございます、というと、外の空気を吸いに出た。
近場には草原があり、風が心地よい。そんな中に、一人の青年がいた。
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瑠色(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます。引き続き、お楽しみください。 (2019年4月6日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してます! (2019年4月5日 23時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年4月5日 22時