運命? ページ1
サクラが出会ったその青年とはある種、運命的な出会い方のようにも見えるが、運命を信じないサクラはそうは思わなかっただろう。
その場で軽々しく告白することはなく、何日も考えて、何回も青年と顔を合わせて、自分の中で確信のようなものが生まれるまで、サクラは事を慎重に運んだらしい。
その血が今日まで脈々と受け継がれ、実緋さんに至るのだろう。
僕は手記から目を上げ、問いかける。
「実緋さんは、どう思っているんですか? 軍のことや、否定過激派のありようを」
サクラを誰より崇拝しているであろう実緋さんが何を思い、この手記を抱えているのか、知りたかった。
「……私は、私個人の力で何かを変えられるとは思いません。けれど、サクラさまの予言通り、呪いが露呈した。その時代に生きる者として、何かが『変わる』ことはわかるんです。
だから、見届けたい」
その瞳には運命をしっかりと受け止めるような光があった。
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠色(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます。引き続き、お楽しみください。 (2019年4月6日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してます! (2019年4月5日 23時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九JACK | 作成日時:2019年4月5日 22時