パズルバース (ページ7)

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神子ページ7

「はあ、紫淋さんくらいですよ、私を神子扱いしないでくれるのは。気が楽です」
「それは、どうも」
椅子に隣り合って座りながら、僕は黄瓶さんと会話する。
黄瓶さんは実を言うと、神子と呼ばれるような力を一切持たない人なのだ。ただ金色という変わった色の目を持って生まれた人間。金は神様の色だ、などと騒いだ誰かが、黄瓶さんを神子と祀り上げ、こんな教会まで作ったのだ。
「私にできることなんて、何もありませんのに」
「そんなことないですよ。黄瓶さんの目はそれなりに特別製じゃないですか」
僕がそう声をかけると、黄瓶さんは苦笑した。
「この目が誰かを幸せにするわけではありません。ただ、パズルを見極めるだけの目ですから……」
そう、黄瓶さんは、人を男女の性別ではなく、パズル、ピース、フレームで見極めることができるのだ。
パズルは自分の本当の心の欠片(ピース)に出会えれば幸せを得られるのだから、その発見だけでも素晴らしいとは思うが、一口にそうは言えないことを僕は知っている。

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