【全完結】佐藤鈴木田中参 (ページ39)

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「ねぇ、ミーズシマくん。」

「はーぁい？」

「今の、見ちゃったんだけどねぇ。」

「……あらら」

「一発殴らせてくんない？」

マナブの真剣な表情にも、動じないミズシマ

「なにそれ、マナブってさぁ…やっぱヒノエのこと好きなんだ？」

「……そうだね。」

「ははっ、そっかそっか！じゃ、殴っていいよ。あ、ただし顔面は勘弁ね。」

ヘラッと笑って立ちあがるミズシマはスキだらけだ
その余裕がまたマナブを苛立たせる

「…あーもう！もういいや。暴力反対！こんなくだらないことしてらんないんだけど。」

「言いだしっぺがなに言ってんのー。」

「だってミズシマ君無抵抗なんだもん。殴る気失せるぅ…。」

「あーそう？なんか命拾いしたわ。ははっ」

ケラケラと何も考えずに笑うミズシマ

「…じゃ、俺いってくるねぇ。」

「えぇー俺を置いてどこに行く気よぉー。」

「ヒノエのとこ。」

真剣な顔で、そう言ってもう出口に向かっていったマナブ

そんな彼の背中めがけてミズシマは

「いってらっしゃい。」

軽く手を振り返して、持ち場に戻った