Kiばかりの妄想小話

M.新たな世界勉強中 -4 ページ36

「は、離せ」


「いやだ。
　ミツ、その先も見ただろ？……続けてよ。」




〜

　『ほ、ほんとに？！…俺、嬉しい！！』

　泣きそうな顔から一転した、喜び綻んだ表情

　相手より長身なのを感じさせないかわいらしさでもって
　目の前の愛しい彼に抱きついた。

〜




否定しないということは、やはり見たのだろう。



はぁ、と大きく溜息をついた彼は
腕の力を抜き、顔を下ろして足元を見る。




「俺は、玉ちゃんじゃないから、それは嫌だ」




そのまま、目を瞑って顔を上げた北やん。


だらりと脱力した腕に、もう必要ないかと手を離す。






「…？」

「……。」




「…………北やん？？」






目を閉じたまま黙って数十秒

え、さすがにそんな姿勢でで寝てない、よね？








そのまま、眉根を寄せて、釣り上がった目が開き

何か言おうとして、
口を開いては、閉じ、を繰り返す。




「お……お前っ、マジで、無いわ。……くそっ！！」

「な、何？！なんで怒……っ？！」





伸びてきた腕に反射的に身を縮めたら

そのまま肩を引かれ、
彼の唇が、俺のそれと重なった。









「勉強、全然足りねぇんじゃねえの？」

「じゃあ、北ミツが教えてよ」



「……隣じゃなくたって、ちゃんと、見てるよ。」

「はぅっ！？」





「ずっと、変わんねーけどな(笑)」







口角を上げ、半分瞼を落として、俺を見る。

後ろから背中を見ていた俺を、
北ミツは、ずっと見てくれていたのか。



それは、俺の探しているびーえるの萌とは違うけれど

彼の持つ色気に枠は無いんだなぁと思った。








「あはは、宮田、汗すげー」

「うっ……そ、そりゃ緊張するっての！喉カラカラだわ」



「ふぅん？……あ、俺ビールよろしく♪」

「……ちょ、ちょっと〜」



あっさりとスイッチが切れおっさんになった北やん。


この部屋一番のソファに深く掛けなおし
読んでいた漫画の世界へ帰っていく。






人の家をなんだと思ってんだ、ほんと




仕方ないから、少し手間をかけてあげよう。









「はい、溢さないでね」

「あ？……って、なんでみずぅ…？」




「醒めたら、俺から、ちゃんと言う」

「……。」






彼は手にしたグラスを見つめると一息で飲み干し


ぐいぐいと俺に押し付けてきた。





(fin)





─

特典に散らかる北→宮の扱いに萌えたので。
あと、宮っちの「俺の読んでるびーえる」(笑)

(藤北は言わずもがな)

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