うちのマネは女装男子でした５【男主】

183話 ページ40

Aside





条善寺になんとか勝利を収めた。
1セット目を取ると、俺は完全にベンチに引っ込んだ。


俺が出ずとも烏野の今の力なら条善寺には勝てる。


……そう、思えるくらいに夏休みが明けてからもこのチームは着実に力をつけていた。





(……問題は次の和久谷南だな)





お祭りチーム条善寺とは違い、どんな攻撃にも慌てず騒がず冷静に対処するレシーブが安定したチーム。


…恐らく、うちが苦手とするチームだ。





(試合を観てた感じだと正統派なバレーだな。1番のブロックアウトに要注意って感じか)


「あっれキミどうしたの？」


「慰めてあげよっか？」


？？「えっ…！？いや、別に、」





外のベンチに腰掛けていると、少し離れたところで1人の女の子が絡まれていた。


男子部の女子マネージャーって危ないし大変だな。
そこの部員も責任持って守れよ、って話なんだけども。





三咲「もう自分のとこに戻るんで大丈夫ですっ…！」


『そうですね、それが1番ですよ』


「なっ！？」


「篠宮A！！？」





近づけばその女の子は条善寺のマネージャーさんだった。


照島が華さんと呼んでいたから多分3年生だろう。
ちなみにうちの母さんと名前が同じだ。





『照島のとこまで送ります』


三咲「へっ！？あ、ありが、とう…！」





涙の跡が残る彼女はきっとこれが引退試合だったんだ。


俺たち烏野の3年生も…


負ければ、引退してしまう。





照島「あ！華さんどこにいたん……ハァァァ！！？なんで篠宮！！？」


『おいこら照島。お前が目を離すから彼女、他校の男に絡まれてたぞ』


照島「華さん携帯番号取られてない！？」


『お前と一緒にすんな！！』





彼女の隣を歩いていると、後ろから条善寺のメンバーがわらわらと集まってきた。


ホッとしたところを見るに、こいつらもどうやら探していたらしい。





照島「メガネちゃんの連絡先は諦める！」


『おう、諦めろ諦めろ』


照島「だから篠宮の番号教えて！LINEでもいいけど！」


『なんでそうなるんだよ！！』





詰め寄ってくる照島から離れようと後ずさっているとドンッと誰かにぶつかった。





『すみません、大丈夫でs』


牛島「Aか」


『アンタか…』





宮城の王者、白鳥沢と出会った。

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