近界から帰ってきた彼女

Story 20 ページ22

出水side




忍田「(人1)、出水は慶の隊に所属しているんだ。」


貴方「えっ」




深海のような深い青色の瞳に見つめられ、
また鼓動が速くなった。





貴方「……きっと苦労してるでしょうね。お疲れ様。」


出水「うん、まじで大変。隊室でレポート手伝わされるし、隊長会議すぐ忘れるし、防衛任務も遅れるし、大学の単位がやべぇ。」





忍田さんが頭を押さえている。


戦闘以外はとことんダメな弟子を持った
苦労人の師匠…





貴方「え、太刀川さん大学行ってるの？…よく…入れましたね。」


忍田「本当に頑張ったよ……私が。」


貴方「いつもお疲れ様です。」





頑張ったのはまさかの忍田さん。


それを労う(人1)。


…太刀川さんって…いったい……





太刀川「(人1)ーーー！！」





目をきらっきらさせながら黒いロングコートが走って来た。


噂をすればなんとやら。
両手を広げて勢いよくこちらに向かって来る。





貴方「あ、太刀川さん……！」





(人1)は小走りでそちらに向かった。


迎えてやるのか！！優しいな！！
俺なら間違いなく逃げるわ！





太刀川「(人1)おかえr」


風間「(人1)」


貴方「わっ」





太刀川さんの腕の中に(人1)が収まる前に
近くを歩いていたらしい風間さんが
(人1)をくい、と引き寄せた。


ぽすん、と(人1)は風間さんに抱きとめられた。


この際、(人1)の方が背が高いのは気にしないでおこう。





風間「……よく、帰って来てくれた。おかえり。」


貴方「……ただいまです。」





よしよしと風間さんは(人1)の頭を撫でた。

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