失敗作【文スト】

失敗を6つ ページ7

貴方side

『…私の中で1番古い記憶は8歳の頃です。
それ以前の記憶はありません

まるで”存在すら無かったかのように”
ぽっかりと穴が空いているのです

何故かは分かりませんが…

覚えているのは目が覚めた時には知らない場所に居て、知らない人達が居て、訳も分からぬまま暴力を受けました

勿論私は何故こんなことをされなくてはいけないのかその人達に聞きました

すると｢貴方は失敗作なのよ、だから私達のアソビに付き合ってもらうの｣と言われまして…

その日からずっと…ずっと…毎日暴力を受け続けました…

そして今日がその10年目

私は耐え切れず……今日…』


私は1回息を吸い、皆さんを確り見つめて言った


『今日、彼の人達の元から逃げ出しました』



皆さんの反応を見ると中島敦さんは目に涙を浮かべ、国木田独歩さんや与謝野晶子さんは目を伏せ、太宰治さんは何かを理解したような顔をしている


太｢…君、探偵社に入らないかい？｣

…？

太｢ここなら君を守ってあげられる、その人達からね｣

何故こんなに優しくしてくれるのだろうか
私はただの失敗作だと云うのに

太｢どうだい？｣



太宰治が確認をしてくる






私は………





『…お願いしてもよろしいでしょうか』





太｢勿論さ｣

太宰治さんはニコリと笑い答えた




『ありがとうございます』

私もできる限りの笑顔で感謝の意を述べた



太｢其れなら君に名前を付けなくては！失敗作だなんて似合わないよ！今皆で話すから10分程待っていておくれ！｣

そう言い彼らは隣の部屋へ行った






名前…嬉しい…

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