君をさがしてた。～pastel days～ (ページ29)

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-ver.veil green- 8 ページ29

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お参りの後、参道を逸れて外苑の方まで来ると、人通りの少ないベンチを見つけてそこに2人で腰掛けた。

天高く登った日差しが木の葉の間から漏れてきて、地面をキラキラと照らしている。
蝉の鳴き声が響き渡り気温は高いが、ここは丁度大きな木の下の陰になっていて心なしか涼しい。

哲也「メンバーと海行ったんだって？直人が楽しそうに話してたよ」

「行きました、白浜の近くだったらしいです」

哲也「楽しかった？」

「すごく楽しかったっ」

哲也「そう、Aも楽しめたんならそりゃ良かった」

「うん、…あのね、初めて水着買ったんです。
でもまだ一回しか着てないから…勿体無いかなあって。

だから今度は、プールにも行ってみたい」

哲也「……」

メンバーと行った初めての海は相当楽しかったらしい。
ちょっと前のAを知っている俺としては、まさか彼女自身の口から “次” の事が出てくるとは思わなかった。

哲也「…じゃあ、AKIRAと亜嵐、皆で行こうか。」

「、うん！」

嬉しそうに笑うAにとっての “皆” の中には、もうきっと三代目のメンバー達も仲間入りしているのだろう。

ほんの数ヶ月前に直人からこの子の事を相談されたとき、いつかそうなったらいいなと思っていた事が今現実になっていて、そんな彼女の笑顔を見ているこっちまで嬉しくなってきた。

哲也「Aの水着楽しみ～あ、今度着て見せてよ」

「…どこで？」

哲也「ん？家で？」

「意味わかんない、変質者だよ」

今にも「きもっ」とでも言われそうな声のトーンに、Aが本気でドン引きしているのがわかって苦笑いを浮かべる。

哲也「いやぁ、冗談だって」

「……」

哲也「本当に笑 Aの水着はプールまで我慢する」

「そうしてください…」

ああ、俺、変態のレッテル貼られたっぽい…。

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