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「亜嵐のどうしようかなぁ」
神宮外苑から表参道ヒルズの方へ戻ってきて 通り沿いにあるカフェレストランでランチにアボカドステーキ丼を食べた。
本当は「パスタ食べたいねー」ってなったんだけど ツアー中で麺類は控えているので、十五穀米を使ったこのメニューを2人仲良く注文したのだ。
しっかりデザートまで食べ終えたAは食後の紅茶を飲んで 亜嵐へのプレゼントに思考を巡らせている。
哲也「帽子とかは?」
「帽子かぁ…んー、亜嵐のクローゼットに溢れ返るようなものは…」
哲也「ああ、あいつ凄い沢山持ってるねそういえば」
多分亜嵐はAから貰ったものなら特別に保管すると思うけど、確かに 今の亜嵐が持ってないような帽子を探し出すのは難しそう。
「とりあえず、お店見て回りたいんですけど、いいですか?」
哲也「もちろん。じゃあ行こっか」
伝票を持ってレジに進むと、案の定財布を出して付いてくるA。
奢らせて?って優しく言ったら困った顔をして、
「私が買い物誘ったのに…」
クレープも奢ってもらったし…とごにょごにょしてる。
哲也「いいの、俺、Aの先輩で、お兄ちゃんで、男だし」
「むー」
哲也「いい加減奢られることに慣れなさい」
変なところに律儀で、2人で食事に行ったりすると必ず会計に参加しようとするA。
もうさ、毎回俺が支払ってるんだから スマートに格好つけさせてよ。
*
表参道ヒルズの中に入ると、外より空間が狭められて視線が集まりやすくなってるためか、すれ違う人たちが たまーに此方を二度見したりしている。
流石にパニックになる事はなかったが、最近映画やらドラマやらバラエティーやらで途端に名前が売れ始めたAはもはや、普通に買い物をしてるだけで注目の的になる事もあり得るのだ。
「なーんか違うんだよな…」
メンズブランドのショップ内をウロウロしながらブツブツ呟いている。
サングラスしてるし顔険しいし、店員さんも声かけるの戸惑うほど怪しい動きだ。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2014年12月6日 12時