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「AKIRAさん喜ぶかなぁ?」
哲也「絶対喜ぶ。俺が欲しいくらいだもん」
Aが持つ袋に入っているのは AKIRAが好きそうなレザーのクラッチバッグ。
サンダルをパタパタ鳴らしながらこのカバンを持って歩くAKIRAの姿が目に浮かぶ。
哲也「11時半かー、まだ昼には早いよね」
「そうですね」
哲也「亜嵐のは午後ゆっくり見たいでしょ?」
「うん。」
哲也「じゃー、ちょっと散歩でもする?」
「散歩?」
哲也「そ、明治神宮行こ。」
途中でクレープでも買ってこうかと言うと Aは嬉しそうに俺の後をついてきて、
「私、チョコバナナのやつがいい!」
食べ物の話をしてる時が一番楽しそうだ。
*
哲也「そういえばA今年初詣行った?」
「行ってない…お守りは新年会の時にHIROさんに貰ったけど」
哲也「じゃあ神社は今年初?」
「うん、哲也さんは?」
哲也「俺はツアー始まる前にメンバーとお参り行ったよ」
クレープを片手に大鳥居を抜けて、両サイドに深緑の木々が立ち並ぶ大通りを歩く。
「メンバーとお参りかぁ」
哲也「…来年の初詣は三代目のメンバーと行ったら?」
「いけるかな?」
哲也「最近仲良いでしょお、誘ってみなよ」
「…そうしてみる。」
クレープを食べ終わると 本殿の前でお賽銭を投げて2人で一緒に鈴を鳴らす。
隣で手を合わせて目を閉じるAが何を考えているかはわからないが、俺は まあ、この可愛い妹が元気に健やかに…
って、これじゃあまるで兄を通り越して親父だ。
それはさすがにキツい。
哲也「お守りも買おうよ」
「哲也さんは安産祈願ね」
哲也「なんで?じゃあAは家内安全だからな」
「いいですよー、メンバー内安全お祈りするから」
哲也「…いいねそれ。俺もそうしようかな」
「じゃあお揃いにしましょう」
本殿の階段の最後の二段をピョンっと飛び降りたA。神社でそんな落ち着きないことしないの、と注意すれば 素直にごめんなさいと言う。
「これの赤にする」
哲也「じゃあ俺 緑のやつで」
“家内安全”と書かれたお守りだけでもたくさんの種類がある。
同じデザインの色違いを一つずつ購入してそれを大切にポケットにしまった。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2014年12月6日 12時