-ver.veil green- 2 ページ23
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「なんで。哲也さんこそなんで全裸なんですか?」
哲也「え゛?!」
その言葉に慌てて下を確認するが、大丈夫だ。パンツは履いている。
哲也「全裸じゃないじゃん!」
「全裸みたいなもんです。写真撮られたら大変ですよ」
真顔でごもっともな事を言うA。それは間違いない と、とりあえず彼女を玄関の中へ招き入れ鍵を閉めた。
「お邪魔します」
玄関で靴を脱ぎ慣れたようにリビングに入ってくる。
俺はそんな彼女を横目に、タンスから適当なTシャツを引っ張り出してベッド横にほっぽってあったズボンと共にそれを着た。
哲也「で?本当何しに来たの?」
予定より早い時間に淹れる事になったコーヒーを準備しつつ、ソファにちょこんと座るAに聞く。
わざわざ朝一で連絡もなしに自宅に来るくらいだから相当な用事なのかもしれない。
「哲也さん今日オフになったって聞いて…」
哲也「うん」
「…お買い物付き合って貰いたくて」
哲也「お買い物。」
え、そんな事で?
哲也「…メールしてくれればいいじゃん」
「だって寝てると思ったから…」
確信犯かよこの子。
しょうがないなあ、本当。
「でもよく考えたら…彼女さんいたら大変な事になってましたよね、ごめんなさい…」
哲也「あ、彼女とは別れたよ」
「え゛っ!?」
哲也「言おうと思ってたんだけど、中々機会がなくてさ」
てか彼女がどうだとかそうゆう問題じゃないんだけどね、ある意味寝込み襲われた気分だから俺。
ソファから身を乗り出して なんで?どうして?!と聞くAに苦笑いを浮かべる。
「あんなに仲良かったのに!」
哲也「確かにね。でもまー、色々あるんだよ。赤の他人同士だとやっぱね」
「わかんない…」
哲也「Aも恋するようになったらわかるよ、そうゆう色んなこと。はい、コーヒー」
「…いただきます」
Aの前に淹れたてのコーヒーを置くと、それを一口飲んで ホッと息を吐いた。
俺も彼女の隣に腰を下ろして、まだ少しだけボーッとする寝起きの頭を冷ますため、熱々のそれを啜る。
哲也「…はー、」
「別れちゃったんだ…」
哲也「まーだ言ってるの?もう3週間も前のことだよ」
「そんなに前なの…私本当に知らなかった」
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2014年12月6日 12時