君をさがしてた。～pastel days～ (ページ12)

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-ver.aqua marine- 12 ページ12

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隆二「そんなに珍しいの」

「初めて見ました…」

隆二「は、海来るの初めて？」

「はい。皆凄い楽しそうですね、キラキラしてる」

A海初めてなんだ…。
じゃあ初っ端投げ込んだのはやりすぎたかな。

と、今更少しだけ反省した隆二。
しかし初めての海なら、やはり楽しませてあげたい。

隆二「…カキ氷食うかA」

「食べる…！」

隆二「言っとくけど海で食うカキ氷はマジで美味いぞ」

「ーー、！」

ビーチを見ていた時よりさらに表情を明るくするAを見て、隆二の気分もだいぶ急上昇した。

隆二「おれブルーハワイ」

「……」

隆二「迷ってんの？」

「…(コクン)」

隆二「じゃあ、いちごミルクは？」

「好きです」

隆二「じゃあそれで。」

間も無くシロップがかかった特大のカキ氷が2人に手渡された。

「お客さんテレビに出てる人でしょ！」

隆二「あ、はい笑」

「格好いいね～」

屋台の陽気なおじさんに声をかけられて隆二は苦笑いを浮かべる。このおじさん、声が中々大きい。

「ありがとうございます」

サングラスをわざわざ外してニッコリ笑顔でおじさんにお礼を言ったA。
そんな彼女の顔を見ておじさんは目を見開いた。

「こりゃ…可愛いねえ！やっぱ芸能人の彼女となると違うね～！」

どうやらおじさんはA自身も芸能人であることを知らないらしい。
それでもAは嫌な顔せずにおじさんに求められ握手を交わすと、カキ氷いただきます。と丁寧にお辞儀した。

隆二「A、行こうか」

「はい。」

隆二もおじさんにお辞儀をすると、Aの手を取って足早にその場を離れた。
Aがサングラスを取ったことにより周りの人達があれ？みたいな顔で彼女と自分を見ていたからである。

隆二「…美味い？」

「おいひい(もぐもぐ)」

氷を口いっぱいに頬張り返事をする間抜けな顔のA。
そんなに一気に食べたら頭痛くなるぞと忠告しようとしたが、時すでに遅し。次の瞬間には一点を見つめこめかみを指で抑えていた。

「…キーンってなった」

隆二「でしょうね」

「痛い。」

と言いつつも物凄い勢いでカキ氷を平らげたA。
隆二が自分のやつもひとすくいAの口に運んでやるとそれも嬉しそうにパクッとした所を見るに、相当気に入ったらしい。

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