先生勘弁してください…… (ページ18)

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【16】勝ち目がないページ18

「はい、捕まえたっ！」

『は？』

…

次の日

「ここから来ると思ってたよぉ〜捕まえた！」

『え？は？ちょっ』

…

その次の日

『(今日こそっ、)』

「動きが読めちゃうんだよなぁ〜」

『うそでしょ！？』

『はい、捕まえた今日も授業受けようねぇ』

…

『訳がわかんないっっ！！！』

「ここ、職員室だから静かにしようねぇw」

つい大声を出してしまった

提案から数日私はこいつに捕まっていた

…

スピードで負けたり

先回りされていたり

横から捕まったり

はっきり言って勝てる気がしない
全く勝ち目が見えないのである

完全にお手上げ状態で頭を抱えていた

放課後、毎日職員室にいるせいで完全に他の先生らに
もはやいる存在として認識されている気がする

そのせいか最近では"お、いらっしゃい"とか同情するような目で見てくる人が増えている

茶髪といえば笑って容赦なく捕まえにくる

「お手上げって顔だねぇ〜」

「ダリ先生に捕まって可哀想に…」

「完全に遊ばれてますもんね」

占星術教師、赤毛ツインテール、じみな黒髪セミロングが話しているのが聞こえてきた

だよなやっぱり私こいつに遊ばれてるよな？

ムカつくな

何がってムカつくのかって一度も勝ててないことがムカつくんよ
予想されて動かれて捕まることが悔しんだよね

そして完全にこいつ楽しんでるんだわ
軽い感じに見えるけど全く軽くねぇぞこいつハイランクだろ絶対

あー実力もランクも何もかも負けてるじゃん私

「気難しい顔してるねぇ〜どうしたぁ〜」

わかってるくせに笑いながらからかってくる

『うるさいです』

「えぇー冷たいー」

心がこもってねぇなオイ

その後今日の分の反省文を気合いで書ききり
家路には向かわずそのままバイトに向かった

…

「ふはははwwその教師最高だなwww」

『どこがですか！？』

バイト先はとある居酒屋だが店長はなかなかいかつい顔だがお人好しというこれまた珍しいタイプな悪魔だったため理由も聞かず
まだ幼かった私を雇ってくれてかれこれ数年は働いており
今では何故か看板娘扱いされてる

「いやぁ、会ってみたいもんだなぁ〜」

『私はここまできて会いたくないですけどね』

「ほーん？俺はなんやかんや言ってお前好きになってそうな未来が見えるけどな？それこそ結婚したりして」

『まじでやめてください…』

ほんとそんな気色悪い想像しないでくれ

「でも自分の娘が花嫁になるの嫌だなぁ」

何勝手に想像してしみじみしてんだか