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第一話 ページ2

腹に空いた穴。

全身を蝕む鈍痛に顔を歪ませる。


嗚呼、けれど何故、(やつがれ)の心は酷く満ち足りているのだろうか?


「Aっ!!この馬鹿者め!」


「姉さま!!しっかり!!」



答えは容易なもの。僕の血の繋がる兄妹を守れたからだろう。



貴「…ゲホッ…泣くな…何故お前らが泣く…」


僕と同じ、黒曜石のような二人の瞳からは普段決して見ることの出来ない雫が後から後から止めどなく流れている。


「だって…姉さまが…死んじゃう…!!」


妹が、僕の腹から流れる紅を見て泣きじゃくる。兄も声には出さないが悲痛な表情をしているようだ。


貴「構わぬ……僕は…お前らを守れたのならば善い…」



「…本当にお前は…いつもいつも…勝手なことばかりだ…愚か者め……お前が死んでは…お前が善くても僕らが善いわけないだろう…」



水滴の流れ続ける瞳を伏せながら、兄が僕の頭に手を乗せる。


「済まなかった…A…お前に守ってもらったこの命…無駄にはせぬ…お前のことは決して忘れぬ…」



「私もっ…姉さまのことっ…絶対忘れない!!」



そう、其れで善い。


お前たちと兄妹でいられたことは僕の誇りだ。




貴「…さらばだ…龍之介、銀…」



「嗚呼…よく休め…A…」


「おやすみなさい…姉さま…」



二人の温もりを感じながら、僕は暗澹の闇へ意識を沈めていった。









_____




________





___________



「Aちゃん起きてー!朝ごはんの時間だよー!」


貴「!?」


ここは一体何処だ!?(やつがれ)は死んだ筈…

周囲を確認すると、僕がいるのは布団が沢山敷かれた部屋で、僕の他にも多くの幼子たちがいた。

貴「此処は……?」

先程、僕を起こした幼女に話しかける。

「?変なAちゃん。忘れちゃったの?ここはこじいん(・・・・)だよ!」



………………



どうやら僕は再び生を受けたらしい。

また幼児期からやり直すのかと、人知れず溜め息をついた。

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ゆきな(プロフ) - リング戦つよそうやな… (2020年5月26日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ベアトリー - いつかかえって来てくれるのを待っています。楽しみにしています。 (2019年9月23日 16時) (レス) id: 48ec9c7d08 (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 作者の十七夜です。更新しようとしたところ、何故か占ツクのデータが消えてしまい、ログイン出来なくなってしまいました。おそらく、復旧は難しいと思われます。楽しみにしていただいた皆様に大変申し訳ないのですが、一旦更新をストップしようと思います。 (2019年9月21日 9時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
wayu0112(プロフ) - 面白いです!楽しみにしています。 (2019年6月15日 21時) (レス) id: bed71cde77 (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 零斗さん» ご期待に添えるよう頑張っていきます!ありがとうございます! (2019年6月9日 8時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十七夜 | 作成日時:2019年5月2日 17時

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