薄荷キャンディー *6 ページ39
「───ふぅ〜、飲んだね(笑)」
店を出て、Aが言った。
「飲んだなー(笑)」
「久しぶりにこんなに飲んだよ。これ、口直しにあげる。」
そう言ってバッグからまたあの缶を出してきた。カラカラと音を立てて、俺の掌に落ちてきたのはやっぱりハッカキャンディー。
またかよ。もう絶対ハッカ味しかくれねーの、何なの(笑)
それからAは空を仰いだ。空には銀細工のような三日月が居た。
俺は口にアメを放り込んだ。
「タクシー呼んだけど、Aも乗ってく？」
「んー、いい。まだ地下鉄あるし。」
「そっか。今日はありがとな。」
「いいえー、幼馴染みの新しい門出のお祝いだから。」
「今日まで幼馴染みってこと分かってなかったくせに(笑)」
Aは笑い声だけ返して、また空を見上げた。
俺も見上げる。
三日月が二人を天空から眺めている。
「翔くんも結婚かぁ。」
そう言って、月から俺へと視線を移す。
それからまた月へと視線を戻した。
「かなり遅ればせながら、だけどな(苦笑)」
「────甚だ勝手な言い分なんだけどさ？」
月を見つめながらAは小さな声で言った。
「翔くんは誰のものにもならないでいてほしい、って思ってた。」
そう言って、笑った。
「・・・・それ、どういう意味？」
俺は必死に、震えないように声を抑えながら、聞いた。
Aは再び俺を見て、それから少しだけ困ったような笑顔をして。
「翔くんはずっと、誰の手も届かない人のままいてほしいって思ってたんだよね。」
俺はもう何も言えずに、黙ったままAの言葉を見つめてた。
それって・・・
「自分は他の人と結婚してるくせに何言ってんだ、って思ってるでしょ。そのとおりなんだけど、ホントに(苦笑) ものすごく自分勝手なこと言っちゃってるんだけど、」
Aの顔はもう困った笑顔ではなくて、静かにオレを見つめて
「────好きだったんだ、翔くんのこと。」
って笑った。
・・・・・今、俺が手を伸ばしたらどうなるのかな。抱き寄せたらどうなるのかな。
その欲望が迫り上がってきたけど。
抱き寄せて。
抱きしめて。
口付けたいって。
でも、しなかった。
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羊羽(プロフ) - のりさん» 各々の脳内で素敵な展開をしてもらおうと…（超言い訳）え、なになに！どーなったの？！Sさんと彼女、どうなったの？！（笑） (2019年12月12日 13時) (
レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 丸投げされたww TVで憧れてるだけだったのが彼のご学友通して知り合っちゃって？でも実は彼は…けど彼は…それでも彼は…なのに彼は… ｷﾞｬｰｰｰ！( ；∀；)彼女知らないのよ！ すみません、取り乱しました。ありきたりな妄想です☆ (2019年12月11日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - ebi信号さん» 架空の世界がリアルの世界とたまに交点持つとビビります（笑）妄想が過ぎる、ってこと…？ (2019年11月25日 22時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2019年11月7日 9時
