☆56 ページ20
やっぱり、何かあったんだ。
松本さんの様子を眺めながら、さっきのあの背中を思い返してそう思った。
「詳しいことは、オレらもそこまで知らないんだけど、」
松本さんは
「あの様子は、かなりダメージ受けてるんだと思う。」
・・・・・ダメージ。
メンバーがここまで気に掛けるほどのダメージ。
って何なんだろう。
「なるべくそっとして、出来れば優しく遠巻きに様子見てあげてくれないかな。オレらは普段通りに接するけど。」
・・・・・長年一緒に仕事してるからなのかな。
「他のスタッフも結構長いから接し方知ってるけど、小野さん初めてでしょ。ああいう翔くん。」
こういう時の距離の取り方もちゃんと分かってるんだな、この人たちって。
なんか、スゴイな。って思いながら
「分かりました。」
私は返事をした。
従わない理由はない。
だって、ずっと一緒にいた人がそう言うんだもん。
それが一番いいのだろう。
「小野さんには結構気を許してるみたいだからさ。」
松本さんのちょっと険しくなっていた顔が、少しだけ綻んだ。
「え、誰がですか？」
「え？翔くんが。」
櫻井さんが？
「・・・・・・それはないと思いますけどね(苦笑)」
苦笑しながら言ったら、松本さんもちょっと苦笑した。
「翔くん、そういう人に弱いとこ見られたと思うと尚更に凹むから。何事もないようにしてあげて。」
「はい。」
「そんでもって弱ってるから、分からないように優しくしてあげて(笑)」
それは・・・・・なかなかに難しい注文だなぁ。
「じゃ。」と言って、松本さんは階段を下りていった。
その後ろ姿を見送りながら、『難しいお願いだな。』って再度思った。
思いながらも、松本さんの言わんとしてることはよく分かった。とっても分かる。
きっと、今触れると逆立った神経が過敏に反応するんだろう。
だけど、放っておかれると感情が壊死していくんだろう。
それはきっと、本人の気付かないところで。
以前タクシーの中で泣いた光景を思い出した。
あの時、泣くタイミングをくれたから心が腐食するのを止めることができたんだ。
あれは、櫻井さんの優しさだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羊羽(プロフ) - のりさん» なるほど！なるほど！アリです（イメージSさんの話）私最近はうずばっか見てるから、すぐあのSさんチラついて困るんですよね…（全然困ってない） (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 0d4a1bc187 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - こんにちは。おぉ…もう向かっているのですね…でも悪趣味な私もドキドキしてますwwアンコのSさんは仲良し？になったSさんです！その前はRock thisのSさん。睨んでるとことかww (2019年10月30日 11時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - のりさん» それもあります！私の脳内イメージに（笑）アンコの五里霧中のSさん。 (2019年10月29日 19時) (レス) id: d8103d2322 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - おはようございます。私の脳内イメージはBeautiful worldのSさんのイメージですぅ♪架空の人ですけどね☆ (2019年10月29日 8時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - ハルヒさん» 『焦らされるのは嫌いじゃない』笑笑。きっと皆んな少し焦らされるの好きなんだよね☆ってことでまた明日ボチボチ更新しますw磁石、コレが終わったらまた蔵出しするね！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 44ed3a426a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羊羽
| 作成日時：2019年10月18日 10時
