検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:80,844 hit

29 ページ30

倭国。
なんだか、遠い昔にその名を親しく呼んでいた気がする。懐かしい。その感覚がじんわりと胸に広がった。

けれど

『いいえ、私の出身はその倭国と言う国ではありません、ひとらんらん様。自分の出身国なんて分からないんです。記憶がないのです』

記憶がない。気付いたらこの国に居て、あの家で生活を営んで、暗殺業を稼業としていた。
蹴り飛ばしたいあの忌々しい過去とあの家で過ごした数年は点として存在していて、どうやって結び付いたのかも分からない。

そして、一つだけしっかりとしている記憶。
それは、私を、僕を産んでくれた両親が軽蔑するように見ていたこと。ただ、それだけ。


ht「そ、そうなんだね。ごめんね、変なこと聞いて」

ひとらんらん様はあははと場を濁すように笑って、また料理を食べ始めた。それを皮切りに皆様食事に戻って行く。食堂には食器の接触音と、咀嚼音だけが響いていた。

にしても、量が多い。多分だが成人男性と同じ量を分配されているのだろうが、僕はスープとサラダだけでお腹いっぱいになってしまった。
けれど、料理を残す訳にはいかない。無理して食べるしかない。

「無理して食べんくてもええとワイは思いますよ」

さらっとそう言ってショッピ様は僕が持っていナイフとフォークを片手で止め、もう片方で手を上げて皆様の注目を集めた。

shp「ゾムさん、Aさんがもう食べられないらしいので、この料理あげるらしいです」

zm「え、まじで!?」

ゾム様がきらきらしたような目でナイフとフォークを両手に持って見てこられる。食害はなさそうで安心した。

『恥ずかしながら満腹になってしまいまして…こちらには口付けていませんので、良ければどうぞ』

zm「よっしゃ!今日は朝からずっと忙しくて何も食うてへんねん!ショッピ君、それくれや!」


自分が食べた分の食器を持って調理場に行く。そこでは使用した調理器具を洗いながら談笑している調理師さん達が居た。

30→←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
173人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , d! , 軍パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ノレム - え、さ、最高ですね!?こんな事現実にあったら嬉しい....って思いますわ😭頑張ってください!応援してます😊 (2022年3月19日 18時) (レス) id: 041a7bb755 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - ハクさん» いえいえ(*´∀`*)ですよね笑こちらこそよろしくお願いします(?) (2021年4月11日 21時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます!!siさんが居る小説は少ないですよね…まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします! (2021年4月11日 18時) (レス) id: dcd2826455 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - ヤバいヤバいしんぺい神さんおる好きィィィ!!!() (2021年4月11日 0時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - あこさん» 一応、身長を元にした平均体重から、極端に減らしました…自分のリアルの友達にガリガリの奴が居たんで、その人を参考にさせてもらいました。あ、これ、こんなになった理由も過去に関係してるんで、多分、いつか明かされると思います!! (2021年2月7日 13時) (レス) id: f1f7e72289 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ハク | 作成日時:2020年10月18日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。