あなたじゃないと。3 (ページ20)

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19里帰りページ20

「電話、誰だった？」

菅「父さん。話したいことあるから帰ってこいって。」

「やっぱり。わたしもさっき電話きたよ。本家に戻ってきてって。里帰りだって。」

2人で顔を見合わせ首をかしげて溜め息を漏らす。

合宿から2週間たったある日、私達にそれぞれの親から電話があった。

内容は、『話したいことがあるから家に帰って来い。』というもの。

菅「多分、話したいことって結婚のことだよね。」

「うん、時期的にもそうだと思う。」

菅「いよいよかぁー！」

ボフンっとソファーにダイブして嬉しそうに顔をほころばせる孝支。

私もソファーに座る。

式場を決めたり、式の流れをどうするか考えたり、ドレスを選んだり、招待状を出したり。

考えるだけでフワフワとした気持ちになる。

「でもなんでそれぞれの家に帰るんだろう。結婚のこと話すならひとつのとこに集まった方がいいんじゃない？」

菅「結婚したら家出てくわけだし、少しでも一緒に過ごしたいとか？」

「なにそれっ。」

おもわず、ぷっと吹き出すと孝支にほっぺをつままれた。

翌日、少し多めの荷物を持って家を出る。

「忘れ物ない？」

菅「あ、一個あった。」

そう言って、ちゅっと唇にキス落とす。

「ベタなことしますね。」

菅「ちょっとやってみたかったもんで。」

頬を少し赤らめて微笑む孝支に胸がきゅとした。

こういう不意打ち、ほんとにずるい。

そんなことをしていると迎えの車が来た。

黒の車は私の家。白の車は孝支の家だ。

「じゃあ、またね孝支！」

菅「うん、少しの間だけばいばい。」

車に乗り込み、別々の方向へ走る。

唇の熱はいつまでも冷めないままだった。

相変わらず大きな本家。いわゆる実家。

使用人が頭を下げて私を迎えた。

様なんてつけられるの久しぶりだから、違和感があってなんか嫌だ。

確かにここも私の家だけど、落ち着くことはあまり出来ないかな。

ドアの前に立ち、トントンと二回ノックをしてから声を出す。

「ただいま帰りました。」

そう言ってドアを開けると4人がこちろを振り向く。

なんで、ここにいるんですか。

何故か少し嫌な予感がした。

そこにいたのは私の両親と、

孝支の両親だった。