今日の夜空はきっと違う ページ7
敦side
孤児院を追い出されて二週間経過した。
敦「……………寒い。」
もう夜だ_
昼間は暖かかったのに。
姉さん今何処で何してるんだろう。
早く会いたいよ。
そう思いながら空を見上げる。
今日は月も出ていない寂しい夜空だ。
そう思った時だった____
暗い夜空に光りの粒が舞っていた_
その粒は次の瞬間、まるで流星群のように流れていった。
キラキラ甘く溶けるように光っている。
この光りの粒が星ではないと確信したのは
夜空に一つ輝き続ける粒__
あれはそう。僕と姉さんがまだ孤児院に居た頃。
『敦くん見ててね?』
敦「早く見せてよ! 姉ちゃん。」
僕達は夜に孤児院の屋根に登り
姉さんの異能力を見るのが夜の日課だった。
姉さんの異能力は
星が在る日はより一層綺麗に輝き
星の無い日はより神秘的に輝いた。
『異能力__メテオール。』
姉さんがその異能力を使うと光りの粒が流星群の様に落ちていく。
でも、
『あぁ!』
姉さんは悔しそうに声を上げる。
『また一粒だけ残っちゃった………。』
そう。まだ姉さんの異能力は完璧な物では無かった。
毎回メテオールを使うと一粒だけは残ってしまうのだ。
しかも同じ位置の物が。
敦「姉ちゃん。きっとこの粒は僕達なんだよ!」
『私達___?』
敦「うん! 僕達はずっと二人で一つ。
離れていても一緒だ。」
姉さんを励ます為に云った言葉。
無理が有ったかな?
何て云う心配は要らなかった。
姉さんは微笑みながら
『うん敦くんと私は二人で一つだね。』
と云ってくれた。
其れから姉さんは一粒残っても
悔しがる処か嬉しそうにしていた。
そんな嬉しそうな姉さんの顔を横から見るのが僕は好きだった。
あの時の事は昨日の事の様に覚えている。
だから此れは姉さんの異能力だ。
僕は暫くその粒を眺めていた。
ほんの少し姉さんと一緒に居るような気になれるから。
_______
__
_
NOside
また一人の男も夜空を見ていた。
「Aさん。」
彼は中島Aの彼氏。
ポートマフィアで働いている。
彼が仕事を一段落終わらせ夜空を見るとAの異能力が目に入った。
暫く会っていない彼女が益々愛おしく思える。
彼は左手の薬指の指輪を無意識の内に右手で触れていた。
早く会いたい。そう呟きながらヨコハマの闇に消えていった。
122人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやねっち - 立原の彼女っていう設定でびっくりです更新楽しみです。無理しないで下さいね (2020年4月12日 18時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
あ。(プロフ) - SANASA.さん» ありがとうございます! (2019年12月6日 22時) (レス) id: 0badc6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
SANASA. - 面白かったです!これからも頑張って下さい! (2019年12月6日 16時) (レス) id: 1d56757537 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤井林檎 | 作成日時:2019年12月5日 20時